7月6日(火)

 今日は女性はお休みの日。第二幕、第三幕の立ち稽古が本舞台で行われた。舞台では凄い装置が二つ置かれている。一つは上手から下手に渡って架けられた巨大な橋だ。これが中空に浮いていてザクセンの兵士達が乗っている。手すりがないうえに上下に移動するのでみんな怖そうだ。もう一つは舞台中央に置かれた7メートル四方くらいの四角い台である。これは下に車がついていてレールに乗って舞台を前後に移動する。こうした装置を、テクニカルの人達は立ち稽古の合間に何回でも動かして練習している。練習時間よりも少し早く行くとこうした作業が見られる。これが結構面白い。
 前にも書いたが、ここのテクニカルの人達のレベルは相当高い。それにかなりの部分をマニュアル、すなわち手作業で動かしている。紗幕の上げ下げ、大道具の舞台への出し入れ。これを音楽にピタっと合わせることに彼らは命を賭けているかのようだ。原始的といえば確かにそうではあるが、なんといってもマニュアルは動き始めや止まる時の感じが実に自然で、転換が音楽的に出来る。こうした人達が、表には決して出ないけれど、バイロイト音楽祭の成功をもう一つの面から支えているのだなあと気づくと妙に感動する。

 夜はマリーと二人で初心者稽古。マリーは僕と組んでやるのがやり易いとみえて、バラッチに言ってよくこの組み合わせで稽古をする。彼は一時僕に対してちょっと感じ悪い時もあったけれど、最近は僕の事も認めてくれるようになったし、僕も彼とは今とてもうまくいっている。彼は、仕事熱心のあまり興奮して過度なリアクションをしてしまう点を除けば、本当は穏やかでやさしい人なんだということも分かってきた。

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