8月7日(土)

 「ローエングリン」の上演終了後、ヴォルフガング・ワーグナー氏の家のパーティーに招待される。
 ワーグナー氏の家は、祝祭劇場のすぐ横の林の中に建っている。小さい家ではないが大豪邸というわけでもない。こんな近くに住んでいたなら本当に一年中劇場から離れられないなあ。
 音楽祭の間、ワーグナー家はきっと毎晩のように接待に追われるのだろう。つまりこれがワーグナー家のお仕事なんだ。これはこれで大変だなと、ちょっと同情してしまった。
 ワーグナー氏は練習場では厳しいが、普段は掃除のおばさんにも大スターのソリストと全く同じように気さくに接する。偉ぶったところがこれっぽっちもない。これがあのバイロイト劇場の総監督かと本当に感心してしまう。
 音楽スタッフは、僕の知っている限りでは3回に分かれて呼ばれていた。7月27日、8月7日、8月15日だ。岡本君は最初の回に行ったようだったし、バルサドンナは最後の回に呼ばれている。今日は、合唱アシスタントは僕とフリードリヒとマリーの3人だ。
 僕は、「ローエングリン」の4人の貴族で出演している、オーストラリア人のハワード、フィンランド人のコルホネン、韓国人のユン夫妻達のいるテーブルに座った。ユンの奥さんは「始皇帝暗殺」のヒロインに似た美人だ。
 食事は自分でお皿に持ってきて食べるのだが、絶品だった。僕が一番おいしいと思ったのはプフェファリングと呼ばれる今が旬の茸の炒め物だ。コックが切り分けてくれた豚肉料理も最高だった。ワーグナー夫妻も上機嫌でみんなの相手をかわるがわるしていた。

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