21世紀のBACH、ここに船出!

11月4日、土曜日。
 東京バロック・スコラーズの「ロ短調ミサ曲」演奏会のオケ練及びオケ合わせが行われた。合唱団はずっと練習を重ねてきたし、先日も合宿をしたばかりなので、出来具合は把握していたが、オーケストラは今日の今日に至るまで、果たしてどんな音が出るのか見当もつかなかった。まあ、悪い言葉で言うと寄せ集めオケ。でも将来的には、このオーケストラを使って様々な活動をしようとしているし、メンバーもある程度固定して、東京バロック・スコラーズのオケといったらみんなが一目置くような日本一のモダン・バロック・オーケストラにしようともくろんでいるので、最初の足がかりはとてつもなく重要だったのだ。
 結果は・・・・うふふ・・・・みなさん、楽しみにしてとにかく演奏会に足を運んでご自分の耳で確かめてください。
 ロ短調ミサ曲は、オーケストラにとって見ると各ソリスト達の名人芸の見せ所満載。合唱も超絶技巧が要求されるし、ソリスト歌手も技を試される。つまり宗教心さえあればなんとかなるといった内省的宗教曲では全くないんだ。
 バロック期というのは、世俗音楽のヴィルティオージティや舞曲的要素が宗教曲に持ち込まれた時代。その前までの時代では不謹慎であった見せ物的超絶技巧が宗教曲の中で楽しめるんだ。この楽しみが実は「ロ短調ミサ曲」の正体。だから僕は旗揚げ公演にこの曲を持ってきたんだ。その意図は達成されつつある。

 東京バロック・スコラーズを立ち上げたというと、一般的には新しい合唱団をひとつ作っただけねと受け止められるだろうが、そうではない。まずは演奏部門の拠点としてオーディションで厳選された合唱団と、最高レベルのプロ・オーケストラを持ち、それから研究部門として様々なセミナーを計画している。
 ひとつ夢がある。そのセミナーには、自分も講師として話をするが、同時にいろいろな著名人を呼んで、講演や公開レッスン、レクチャー・コンサートなどを行おうと思っている。将来的にはある期間、何日かかけてBACH Tageを開催し、東京中、いや日本全国の様々なバッハ団体に参加してもらって演奏三昧。最後には全員で合同演奏なんてね。出来たら、バッハ研究家の人達、礒山雅先生はじめ様々な研究者達、あるいは鈴木雅明さんのコレギウム・ジャパンなども巻き込んで大規模にバッハ祭といきたいのだ。
 東京バロック・スコラーズは、このように演奏、研究両面から、それぞれバラバラに活動している日本におけるバッハ活動のセンターとなるんだ。だから「21世紀のBACH」なんだよ。21世紀は細分化ではなく統合の時代。それにふさわしいものにする。もしかしたら東京バロック・スコラーズという呼び名を演奏団体の名前にして、イベントをする時は「21世紀のBACH」と呼んでもよいな。今度の演奏会は同時にそうした全ての活動の船出でもあるんだ。だから絶対コケられないんだよ。
 でもね、4日の練習をやってこれだけは保証出来るなと思ったのは、初日のオケ合わせでここまで来れたんだから、演奏会は絶対に失敗だけはしないな、ということ。とにかく、これまでにないバッハが出来つつあるよ。僕は本気だからね。自分の残りの人生を賭けているんだからね。
 まだチケットお求めでない人は、今からでも遅くはないです。みんな来て、この歴史的事件を見届ける証人となって下さい。

黒ちゃん、結婚おめでとう!
 黒ちゃんとは、新国立劇場合唱団のバリトン歌手、黒田諭君のこと。黒ちゃんは九州は宮崎出身で、性格は温厚、誠実。声は天性の美声。彼が、同じ合唱団員である遠山由美子さんと付き合っているのは知っていたんだ。遠山さんも、本当に愛らしくて、しかもリリックなとても美しい声をしている。
 昨年末、二人とも志木第九の会定期演奏会で、メンデルスゾーン作曲「エリア」のソリストとして出演した。その時はもう二人とも同じアパートに住んでいたのだ。

11月3日、金曜日。
 この二人がめでたく結婚式を挙げた。とっても心のこもった温かい結婚式だった。たとえば、テーブルの上にそれぞれ参列者の位置が分かるように名前が書いてあるだろう。そのカードが手作りで、ひとりひとりにメッセージが書いてある。それを読んだだけでアルト団員の小林昌代ちゃんなんかもう泣いているんだぜ。披露宴の式次第のパンフレットには、新国立劇場の様々な衣裳に身を包んでいろんな役に扮した二人の写真が載っている。僕の「ナディーヌ」の公演にわざわざ二人で新町までかけつけてくれた時、ナディーヌ役の佐藤泰子さんや、オリー役の柴田さん、それに僕たちと一緒に写っている写真も掲載されていた。こんな配慮がそれぞれの人達にとってはとても嬉しい。よくぞここまで気を配って出来たものだ。

 僕は主賓の挨拶をおおせつかって、黒ちゃん、由美子さんとの出逢いを話したが、僕が2001年から新国立劇場合唱団指揮者になった時に、僕が初めて加わったオーディションに二人とも合格して、新人で入ってきたんだ。黒ちゃん曰く、あの時新国立劇場合唱団に受からなかったら、歌をやめて郷里の九州に帰っていたかも知れないということだ。そうしたら由美子さんとの出逢いもなかったのだろうから、僕は人の運命を左右する重要なポジションにいるんだなと、あらためて襟を正した。

 新国立劇場合唱団のメンバーが「イドメネオ」公演中に集まって練習した「瑠璃色の地球」もきれいに和音が決まった。松田聖子の歌ったこの曲は名曲だねえ。指揮をしていた僕は、主賓の挨拶が終わってホッとして、ビールと白ワインと赤ワインをかなり飲んだお陰で酔っぱらっていたけどね。
 おなじみテノールの小田修一君が小林昌代ちゃんなどのタイコを従えたウクレレと歌の演奏も楽しかった。また、新郎新婦それぞれの赤ちゃんの頃からの写真がスクリーンに映し出されたバックには、新郎新婦本人達のデュエットによる「見上げてごらん夜の星を」が歌われた。伴奏はいつも合唱団の伴奏をしている矢田信子さん。音楽家の結婚式は音楽に彩られて実に華やかだ。
 披露宴の最後の黒ちゃんのスピーチ。
「今日の披露宴はとても楽しかったんですが、今日に至るまでの準備は本当に大変で、もう二度とこんな思いはしたくありません。ですから一生涯由美子さんと一緒にいたいと思います。」
 いいねえ、若い二人を祝福するのは気持ちのいいもんだ。実は由美子さんのお腹の中には新しい命が宿っていて、来年二月には出産予定。花嫁衣装はめだたなくてよかったね。おめでとう!末永くしあわせに。

トホホの神が降臨しなければいいが・・・
 来年一月にウィンドウズXPの後継OSのウィンドウズ・ビスタWindows Vistaが発売されると聞いて、再びパソコン自作熱がふつふつと湧き上がりつつある。

 僕にはほとんど趣味や道楽といえるものはない。余暇は何していますかと聞かれても、これですと胸張って答えるものがない。新国立劇場や合唱団の練習が休みの日も、次の仕事の譜読みをしたり、作曲したりCDを聴いたりしている。それってみんな音楽でしょ。どこまでが余暇でどこからが仕事なんだか自分でも全く分からないんだ。考えてみると淋しい人生。
 あとは趣味といえば読書かな。でもこれも微妙に仕事に結びついている。そこで得た知識を合唱団の練習中に披瀝するんだ。これが団員達にはいい迷惑。分かっているんだ。でもつい教養が邪魔して・・・・。
 ということでパソコン自作だけは純粋に僕の道楽。ただそれも実際に使い出すと、Finaleで譜面書いたり、Singer Song Writerで音作りをしたりするので、またまた仕事につながってしまうのだ。だ、誰か僕の人生と仕事を切り離してえ〜!

 今使っているメイン・マシーンは、二年半前に自作したデスクトップ。CPUはPentium4の3GHz、メモリーは1GB積んで、ハードディスクは160GB。そのほかにグラフィック・カードを積んでサウンドカードも積んで、当時としては最新式スーパー・マシーンだったのだ。だから今使っていても何の不自由もない。しかし何の不自由もないのが不満なのだ。だってここしばらくは問題が起きてパソコン・ケースを開けたことがないんだもの。つまんない!
 しかし、しかしだよ、いよいよ必要に迫られてパソコンをリニューアルする機会が到来したのだ!うふふ・・・。何故ならウィンドウズ・ビスタはねえ、ユーザーにスペックを要求するんですよ。ああ、困ったなあ。このマシーンでは力不足なのだ。XPのままだったらいいんだけどねえ(そんなら別にXPのままでいいじゃん。何の不自由もないんでしょ!)。
 せめてメモリーは2GBはないとねえ。CPUは今をときめくCore2 Duoにするか、コスト・パフォーマンスの高いAthlon64×2にするか悩んじゃって夜も眠れない。おほほ・・・。マザー・ボードもそっくり取り替えないといけないんだ。お金がかかるなあ。みひひ・・・。ビスタのグラフィカルなAeroを快適に動かすためには、グラフィック・カードもあまりしょぼいものではねえ・・・・。むふふふ、うわっはっはっは・・・・!
(三澤、ハッとしてあたりを見回し、姿勢を正す。時は真夜中。愛犬タンタンが妙に冷静に不思議そうな顔で見ている。)

 どうもあまり悩んでいるようには見えないね。そんなこと言ってると、またトホホの神が御降臨なされて、動くものも動かなくなってしまうし、大事なデータは全部消えてしまうで。

 でも本当に素晴らしいんだろうか。ウィンドウズ・ビスタ。だいたい新しいものが出たばかりにはバグが続出するんだ。発売を急いで見切り発車するからね。しかも客に不具合を出させておいて「このエラーを送信する」という指示を出して、客をモニターとして使ってエラーの具合をリサーチするというわけだ。
「ストップ!そこまでだ!マイクロソフトよ、あんたの手口はもう分かっているんだ!」
でもだからといってサービスパックが出るまでなんて待てないんだよお。早く来ないかな、発売日(ありゃりゃ、まさか発売日に並ぶんじゃないでしょうね)。インターネットで予約も出来るんだが、それじゃあつまんないんだよなあ。やはり店頭で現物を手に取り、レジーに持って行くのがいいんだ。
 で、そのビスタを使って何をするかというと、これがこれまで通り、メールを書いたり、インターネットを見たり、Finaleで譜面書いたり・・・・。だからさ、XPのまんまでいいじゃん。(この後議論がどうどう巡り・・・・ぐるぐるぐるぐる・・・・・。)

 トホホの神が三澤家の上空から見下ろしているような気がするのは、気のせいだろうか?

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