六本木男声合唱団倶楽部演奏会無事終了

 2月6日、火曜日は東京カテドラルで六本木男声合唱団倶楽部演奏会。志木第九の会の演奏会の翌々日だったので、気持ちを切り替えることや、エネルギーを短期間で充電するのがなかなか大変だった。
 でも手前味噌だが、この六団、少しづつ上手になってきている。僕は男声合唱が合唱経験の原点なので、どこまでも根気強い反面、相手がどんなレベルでも決して妥協しない。それが良い意味で生きてきた。
 僕がこの団体に入った頃、団員の中にはきっとお遊び気分で入ってきた人達もいただろうが、今やみんなかなり真剣に音楽に向かい合っている。真剣なだけでなく、声を出すという原始的な歓びから、他のパートを聴きながらハーモニーをみんなで築いて、フレージングを考えて、音楽を作り出していくという、より高度な歓びに目覚めてきて、以前とは違う意味で彼等がエンジョイしているのも感じられる。

 今回の会場になった東京カテドラル聖マリア大聖堂は、カトリック教会東京教区の中心地(司教座)だ。チケットを売っているのは主に六団のメンバーだとしても、信者さんや教会関係の人達も大勢来るだろうと思って僕は緊張していた。現に曾野綾子さんを始めとして少なからぬ要人達が出席していたし、僕の属している立川教会からも数人来ていた。そうした人達が、広島の原爆を題材とした「川よとわに美しく」や三枝レクィエムに期待することは、おそらく音楽的にどうかとか、技術的にどうかということではなく、もっと内面的な何かだ。僕は、練習の中で自分の持っている危機感をみんなに説明した。みんなも分かってくれたと思う。

 そしてゲネプロ。異常に残響の長いホールの響きに助けられて、遠目にはかなりアラが隠れて上手に聞こえたが、その分歌詞がききとりにくくなっていた。
「これは歌詞が聞こえないと意味がないので、とにかくみんな相手に言葉を届けようとして明瞭に発音して欲しい。」
 本番は、その両方の良いところが素直に出たような気がする。来てくれたお客様達も喜んでくれた。それにしても全く本番に強い人達だよ!やっぱりこの団体、ただものじゃない!面白いのでもう少し付き合ってみよう・・・・とか言っている内にモナコ公演も行くし、もはや離れられない仲になっている。ヤバイ!

 

今度のオランダ人プロジェクトは凄いぜ!
 オランダ人役のユハ・ウーシタロが一声出した瞬間、みんな腰を抜かしてしまった。圧倒的な声だ。輝かしく力強い。しかもフォルテだけではなく、しっかり支えたピアノで繊細な表現も出来るし、なによりもオランダ人の悲劇的性格がすでに声の中に内包されている。
 フィンランド人の彼は、オケ合わせで、終幕の「さまよえるオランダ人と呼ばれている者こそこの私だ。」というセリフを「さまよえるフィンランド人」と歌ってみんなを笑わせたり、なかなかお茶目な一面ものぞかせている。
 こういう声を目の前で聞くと、合唱団員というのは現金なもので、「もしかしたら俺にも出るかな」という感じで自分の箇所を歌うものだから、稽古場に毎日フルヴォイスの合唱が響き渡って、もううるさくて仕方ない。ウーシタロという名前がよほど珍しいのだろう。合唱団員達は勝手に彼のことを「寿司太郎」などと呼んで喜んでいる。このウーシタロを中心に今回は文句なしに最高のキャスティングだ。

 ゼンタ役のアニア・カンペは、バイロイト音楽祭でも出演していて知っていたが、僕の大好きな柔らかくて美しいリリコの声の持ち主だ。しかし必要とあらば、ピンと張った力強い声も自在に使える。容姿も美しく、エキセントリックなゼンタの性格を表現する演技力も素晴らしい。
 ザールブリュッケンのザールランド州立歌劇場首席バス歌手として活躍する松位浩さんの安定したダーラントも良ければ、エンドリック・ヴォトリッヒの演ずるエーリックや、舵手の高橋淳君、マリーの竹本節子さんなど誰をとっても適役で、これ以上のキャスティングを望むのは世界でもなかなか出来ないのではないかと思わせる。

 加えてマティアス・フォン・シュテークマンの演出は、随所に配慮が行き届いたきめの細かい仕上がりとなってきた。練習はしつこくて、みんななかなか家に帰してもらえないけれど、文句が出ないのは、常に納得のいく稽古をしているから。
 前に書いたように、彼は音楽の語るメッセージを第一に考え、これを大事にしながら自らのイマジネーションを発展させていく。だから、決してワーグナーの世界からはずれない。これはとても大切なことだ。

 今回の「さまよえるオランダ人」プロジェクトは、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」と並んで、新国立劇場のベスト公演のひとつに数え上げられる水準になるような予感がしている。なんといっても現場の盛り上がり方が違うもの!まだ時間があるので、また経過報告するよ。どうするか迷っている人がいたら、この公演こそはチケットを求めることをお勧めします。新国立劇場の回し者だから言うのではなく、心底そう思っているからね。

おあずけ食ったジャスト・スイート
 ひそかに楽しみにしていたのに、2月9日の発売日当日、「さあ今日買いに行くぞう!」と思いながらメールを開けてみたら、「発売を3月9日に延期いたします。」だってさ。もうショックで立ち直れなかったよ。原因は不具合発見だって。残念!世の中はVISTA一色で盛り上がっているというのに、僕には全く興味がなく、むしろジャスト・スイートこそが目下のところ最大の関心事だったのである。

 ジャスト・スイートJUST Suite 2007とは、ジャスト・システムJUSTSYSTEMが誇る新製品だ。すでに発売となっている新しい一太郎2007に加えて、勿論日本語入力システムのATOK 2007、総合グラフィックソフトの花子2007、表計算ソフトの三四郎2007、それからAgree 2007と呼ばれるパワー・ポイントのようなプレゼンテーションソフト、PDF作成、編集ソフトのJustsystem PDF Suite、そして僕が今使っているメール・ソフトSHURIKENの新ヴァージョンが全て一セットになった製品なのだ。一太郎をすでに持っているユーザー用ヴァージョン・アップ版の場合、一万五千円前後というかなりお得な値段になっているのである。
 
 常日頃、花子や三四郎を横目で見ていた僕が、今こそこれを手に入れるべきだと思ったし、何と言っても、Agreeという新しいプレゼンソフトに惹かれるのだ。これがもし使い勝手が良ければ、パワー・ポイントから乗り換えて、今後の講演会や演奏会の字幕などで縦横に使おうと目論んでいたのだ。

 僕は、一太郎を作り出したジャスト・システムの秘かなファンである。日本語入力システムで言えば、Microsoft IMEがいくら最近追いついてきたといっても、ATOKの優秀さには遠く及ばない。ジャスト・システムこそは、まさに日本人による日本人のための会社であり、その努力には頭が下がるのだ。

 演奏会で、ある人からもらったご祝儀を僕はとっておいて、これを価値あることに使わせてもらおうと思っていた。考えた末にジャスト・スイートを記念として購入しようと決めたが、一ヶ月おあずけになってしまった。その間に別のことで使ってしまわないようにしなければ。

 チェッ!つまんねえの。この一ヶ月どうやって暮らそう?誰か、このうっぷんを鎮めてよお!

Cafe MDR HOME  

当ホ−ムペ−ジに掲載された記事、写真、 イラスト等の無断転載を禁じます。
Copyright © HIROFUMI MISAWA  2005-2007 All rights reserved.