体調不良

三澤洋史 

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体調不良
 例の雪が降った日あたりから体が冷えていたのは感じていた。11月25日金曜日の真夜中、ベッドに入ってからしばらくして、突然寒さのために体が震えだした。隣のベッドで寝ている妻に、
「ちょっとお願い!なんでもいいから布団をいっぱいかけて!」
と言いながら、ヤバい、このまま熱が出てくるのか・・・そうすると、この週末の全てのスケジュールがNGになってしまうかも知れない、と心配になった。

 26日土曜日朝は、相模原の翠ヶ丘教会で、東京バロック・スコラーズのクリスマス・オラトリオ教会練習がある。その後、小田急相模原駅から結構綱渡りで新宿に向かい、14時開演の新国立劇場「ラ・ボエーム」公演に間に合わなければならず、さらに公演後は、埼玉県の志木市にまで行って、志木第九の会のハイドン作曲オラトリオ「四季」の練習に出なければならない。
 27日日曜日は、朝から関口教会(東京カテドラル)に行き、10時のミサを指揮してから、1時間ばかり聖歌隊の練習をつけ、さらにまた新国立劇場に行って、「セヴィリアの理髪師」の公演初日だ。

 これだけのことをこなさなければならないのに、ここで熱なんか出してはいられない。すると、そんな僕の強い願いが通じたのか、死ぬほど重たい掛け布団の下で、僕の体はしだいに暖まり、いつしか眠りについていった。
 信じられないことに、これら週末のスケジュールを、僕は全てきちんとこなすことが出来た。ただ、日曜日の関口教会の聖歌の練習の後、新国立劇場に着くまでの間にほとんど流し込むように食べた昼食が、いつまでもおなかに残っていて、消化する気配もない。「セヴィリアの理髪師」終了後、家に帰ったが、家族がおいしそうに食べる夕飯を見ていても全く食欲が湧かず、お茶だけ飲んで絶食してその晩は眠りについた。
 そして、予想したとおり、夜中に2度ほど激しい下痢となった。朝もやっぱり食欲がない。そこで医者に行った。
「寒暖差と過労が胃腸を弱らせたということですね。喉もちょっとは腫れているので、胃腸系の風邪と言えなくもないけれど、それよりも、まあ、暖かくしてゆっくり休んで下さい」
と言われた。

 今日、11月28日月曜日の予定は、朝から更新原稿を仕上げて、午後は久しぶりにプールに行き、そして夜はアカデミカコールの練習に行くはずであった。例の「月光とピエロ」であって、とても楽しみにしていた。
 けれど、僕は医者から帰ってきてからベッドに横になり、お昼はお粥をすすって、勿論プールには行けるはずもなし、残念ながらアカデミカコールの練習はキャンセルした。みなさん、申し訳ありません!
 昼食後は、午後3時頃までまた横になって、それから起き出してのんびりと原稿を書き始めた。今4時半頃であるが、やっとここまで原稿を書いているところである。

 ひとつだけいいことがある。実は、今日11月28日は孫娘の杏樹の3歳のお誕生日。次女の杏奈も来て、みんなでお誕生パーティを行う予定である。僕は、もともとはアカデミカコールに行くはずだったので、パーティには出られないはずだったが、出られることになった!とはいっても、脂っこい食事やワインなどのご馳走には、どうみても箸はつけられないんだろなあ。もう絶食はしなくていいのだろうが、まあ、ひとりでお粥をすするのだろうなあ。
 もうすぐ杏樹が保育園から帰ってくるが、僕は、この原稿を書いたら、また夕飯までベッドに行く。もう、いくら寝ても眠れるんだ。やっぱり疲れていたんだろうなあ。もう、あまり自分の体力を過信しない方がいいなあ。
写真は、お誕生会を待つ居間。


お誕生パーティを待つお部屋




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