名残惜しい「ルチア」終了

 

三澤洋史 

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名残惜しい「ルチア」終了
 新国立劇場「ルチア」公演が終わった。久し振りに終わるのが名残惜しいプロジェクトとなった。ルチア役のオルガ・ペレチャッコ、エドガルド役のイスマエル・ジョルディ、エンリーコ役のアルトゥール・ルチンスキーなど、トップレベルの外国勢と共に、妻屋秀和さんをはじめとする日本勢も大健闘。合唱団を含む舞台上の全ての歌手達を束ねているのは、指揮者のジャンパオロ・ビザンティ。

 素晴らしい歌手さえ揃えれば良い公演になるというのは素人の考え。歌手達は、それぞれ自分の美学を持って行動しているだろう。一般の人達から見れば、自己チューの人達ばかり。もしマエストロが頼りなければ、それぞれが「あっち向いてホイ」のまとまりのない公演に仕上がってしまう。その意味では、協調性のあるそこそこのソリスト達にそこそこの指揮者の方が、より統一の取れた良い公演に仕上がる可能性だってあるのだ。
 だから、一流の歌手達と共演するオペラのマエストロにはある種の強引さが不可欠。歌手達のわがままを却下して自分に無理矢理にでも従わせる力量、人徳が必要となるのだ。その方法論は、それぞれ違っていて、ムーティーのように“怒れる独裁者”であったり、ネッロ・サンティのように“憎めない親分”であったり様々。
 しかしジャンパオロは、ムーティーでもサンティでもない。ひとことで言えば、その率直さと寛容さで、ごくナチュラルにみんなを従わせている。ジャンパオロが怒ったところは見たことがない。しかし彼の指揮が表現する音楽の方向性がとても自然で納得のいくものなので、全員がおのずとに従ってくる結果、驚くほど緊密なアンサンブルが成立し、説得力のある音楽に凝縮していった。ある意味、理想の形かも知れない。
 彼のレパートリーは、ほとんどイタリア・オペラに限られているので、同じイタリア人指揮者のアッバードやムーティー、リッカルド・シャイイのような意味でのワールドワイドな指揮者になるかどうかは疑問だが、少なくとも現代においてイタリア・オペラにおける世界で最高の指揮者のひとりであることは間違いないと僕は断言する。この指揮者がこれ以上出世しなかったら、世界は見る目がない。

 さて、休む暇なく今日からヴェルディの晩年の最高傑作「オテッロ」の立ち稽古が始まる。水泳を通して仲良しになった指揮者パオロ・カリニャーニと再開する。「ルチア」の感傷に浸っている場合ではない。

こんなことしている場合か
 日本は平和な国だねえ。国会は暇だねえ。森友学園の記事が新聞の第一面を飾って、マスコミは水を得た魚のようにはしゃぎまくっている。野党はこの時とばかりに、安倍晋三氏を総理大臣の座から引きずり降ろそうとしている。
 一方、自分の学校をめちゃくちゃにされた籠池泰典氏は、もうやぶれかぶれになって、
「死なば安倍もろとも」
と総理及び総理夫人に対する攻撃の手を緩めない。それをまたマスコミが面白がって追求する。
 しかし僕は思う。いろいろ決めなければならないことがあるだろうに、国会はこんなことに果てしなく時間を費やしていていいんか?誰かが言い出さないか?なあんだ、国会は、他のことそっちのけでこんなことしていて大丈夫、ということは本当は要らないんだ・・・と。
 その間に、実は我が国の政治というものは、官僚を中心に粛々と進められているのだということがバレてしまっていいんか?官僚がのさばる温床を作っているのは、国会がこんなだからではないか?

 僕は、安倍政権のあり方に、基本的にはあまり賛成ではない。けれど、今、朝鮮半島がどういう状態にあるか、みんな分かっていますか?この危機の時に、こんな理由で首相が退陣なんかして、我が国は求心力を失うべきではない。だって安倍さんが辞めたら、次誰が総理大臣になるの?その人は即総理大臣として100パーセント機能出来るの?

 安倍総理大臣とトランプ大統領との会談は、とてもうまくいったように思えた。それは、トランプ氏にとって安倍氏が絶対服従する子分となったからだ。しかし、日米安保条約の本質はトランプ政権になってガラリと変わっている。アメリカは北朝鮮に対し、今後かなり強硬な態度を取っていき、そのための犠牲も厭わないであろう。
 現に、“金正恩氏の暗殺”も含むなどと言っていて、特殊部隊の映像なども公開しているではないか。もちろんそれを北朝鮮も見ている。本来ならトップ・シークレットであるはずの情報を、こんな風に意図的に出しているのは何故か?
 分かりますか?“犠牲も厭わない”という意味が?今や、アメリカは、自分の国さえ良ければそれでいいと割り切った国に成り下がっている。ということは、けしかけるだけけしかけておいて、北朝鮮が攻撃の火ぶたを切ったとしても、自国の本土さえ攻撃さえ受けなければ、関係ないと思っているのだ。むしろ、最初の犠牲が本土以外のところで具体的に始まってくれた方が、本格的な攻撃をしやすいのだ。そう、真珠湾のように・・・。
 うーん、なかなかワルだねえ。では、真珠湾とはどこか?もちろん、今、北朝鮮に対し挑発的な軍事演習を行っている韓国か日本のどちらかの国土に他ならない。しかし、韓国はもともとは同民族だから、かつての植民地化などで怨恨を持っている日本だったら、罪の意識のようなものを全く感じないで攻撃できるだろう。その日をアメリカは待っている。

 この点が、対話を最後まで重視していたオバマ政権との決定的な違いだ。森友学園の浮かれ方は、かつて「火山の上で踊っている」と言われた、第一次世界大戦前夜のヨーロッパの、アール・ヌーボーに代表される、現実逃避の浮かれた退廃文化を思い起こさせる。
 そう遠くないある日、日本のどこかの都市に北朝鮮のミサイルが降ってくる。その時、我が国は一瞬にして何もかも変わる。憲法九条を守ると明言していた人達は、真っ先に、
「自衛隊は何やってんだ?次の攻撃はどこに来るのか?その前に阻止できないのか?何故北朝鮮に攻めていけないように法律を作ったんだ?」
と言い出すだろう。
 そして、アメリカはもちろん、「待ってました!」という風に北朝鮮に攻撃を仕掛けるだろうが、この点を強調しておきたいが、米軍は日本国土を守るための軍事行動は一切行わないであろう
 野球で言えば、アメリカという監督は、日本という選手にバントをさせる。つまり「日本の犠牲の上に点を稼ごう」というのがアメリカの合い言葉。みなさんも予想がつくだろう。トランプ氏というのはそういう男だ。
 だから今、平和ぼけしている場合じゃないんだ。マスコミも、北朝鮮情報に僕たちの目を向けさせるべきだ。国の存亡の危機なのだぞ!
 

春も近い白馬での日々
 3月20日月曜日の夜、予定通り10時前にカーサビアンカに着いて家族と落ち合い、早速“居酒屋おおの”でビールとお奨めの芋焼酎お湯割りですっかりくつろいだ。しかし、21日火曜日の明け方、夢の中からしだいに目覚めてきながら、耳に雨音が混じっていることに気がついた。まだ未明、トイレに起きた。ゲッ、雨が降っている。めっちゃテンションが下がった。春スキーで一番恐れているのが雨なのだ。吹雪でもいいけれど、雨だけは避けたかった。
 朝になってから雪に変わってきたので、ほっとした。でもみぞれのような雨混じりの雪。下のとおみゲレンデでは、ちょっと滑っただけでウエアーがぐっしょり。もう春なんだから仕方ないのだけれど。
 杏樹は、杏奈が面倒を見て、とおみゲレンデ下部のソリ・エリアで果敢にもソリ遊びしていたが、やっぱりびしょ濡れで帰ってきて、センターのエスカル・プラザ内のキッズ・コーナーで遊び始めた。

 角皆優人君のレッスンは、上のアルプス平ゲレンデで行った。ゴンドラで登ったら、こちらの方は、雪らしい雪。ゲレンデの雪質もかなりベター。しかし、残念なことに、コブは全て新雪でつぶれている。これではコブ・レッスンするような状態ではないと角皆君は言う。
 それなので、実際のコブには入らずにコブのためのレッスンに切り替えた。具体的にいうと、レッスンのほとんどの時間、片足だけで滑っていた。内足のテールを上げて外足のみでターンをし、切り替えと共に上げる足を交替する。
 新しい外足にしっかり乗るためのウエイト・シフト(重心移動)を徹底させ、“ハイC”といわれるターン前半の形を整える。常に片足が上がった束縛された状態で、この荒れた新雪のゲレンデを走行するのは楽ではないが、バランス感覚を養うのには良かった。その代わり腿がめっちゃ疲れたぜ。
 最後だけ両足で滑走することを許された。その時、角皆君は言う。
「三澤君、スキーの奥義を教えてあげる」
「なあに?」
「ターンを終わろうとする時、フォールラインの向こうの方にスキーの神さまがいるんだ」「はあ?」
「その神さまに向かってね、ありがとうございますってお辞儀するんだよ。それからストックを突く」
 あはは、要するにこういうことだな。足が真横を向いていても、上体をひねって常にフォールライン側に向けながら、肩を雪に水平に保つことで、しっかりした外向傾の姿勢を作る。そうすると真下にいるスキーの神さまを拝めるわけ。「ありがとうございます」のお辞儀は、ストックを突くために体をかがめるということ。
 でも、理屈でああしてこうしてといろんな項目を羅列すると、同時に考えて分からなくなっちゃうじゃないか。それよりも、「スキーの神さま」の方が即座にイメージし易い。

 実際にコブ斜面に入らなくても、このレッスンは有意義だった。それは後で効いてきた。整地においては、カーヴィング・スキーを使うと、きちんとウエイト・シフトが出来ていなくても、なんとなくターンが出来てしまうが、良くも悪くもスキーに助けられて、本当に上手になるのはかえって難しい。でも、しっかり外足に乗れて徹底した外向傾が作れなければ、コブを安定して滑るのはきわめて難しいのだ。

スキー板の試乗記
 3月22日水曜日。昨日とは一転して快晴。こうこなくっちゃ。角皆君は、今日の午前中を僕のために空けてくれていて、僕にいろんな板を試乗させてくれるという。彼と僕とはブーツのサイズが同じなので、彼が履いているスキーは全部そのままで履き替えることが出来る。
 実は、僕は次のシーズンに新しい板を買うことを考えている。それは今乗っているK2のVelocityという板の後継機となるChargerというモデルだ。僕は、正直言って、そのChargerに試乗して、買うに値するか確かめられればそれで充分だと思っていた。
 でも角皆君は、僕にもっといろんな板に乗せたがっている。別に・・・て思っていたのだけれど・・・しかし、この試乗会は、まさに“目からうろこ”の体験であった。こんな風に、親友の角皆君は、いつも僕に新しい世界の扉を開いてくれる。


3月22日アルプス平


 乗った板はみんなK2社の製品。K2は、元来はモーグルなどフリースタイル用のスキー板をウリにしている会社であるが、現代ではむしろスノー・ボードが大人気のメーカーとして知れ渡っている。

僕が試乗したのは次の通り。

1) 今僕が乗っているVelocityの事実上の後継機となる「チャージャーCharger」コブが得意
2) Chargerの上位機「スピード・チャージャーSpeed Charger」コブよりはロング・ターンがむしろ得意
3) モーグル競技用の「244」
4) スラローム(回転競技)用の「スピットファイアーSpitfire SL」
5) 正式なジャイアント・スラローム(大回転)用スキーである「エリートElite GS」

角皆君は言う。
「試乗することによって、自分のクセが分かる。本人が一番滑りづらくて嫌だと言っている板が、客観的に見て一番良いフォームで滑れている、などということがよくある。三澤君がどの板に乗ったら、どういう風に滑るか見ているからね」
そういいながら、僕の滑って行く姿を後ろから見ていると思ったら、途中で美穂さんと共にもの凄いスピードで追い越していって、今度は下から見ている。

最初に一回だけ自分の板で滑ってから、同じゲレンデを5つの板で滑り比べた。

1) 僕が買おうと思っているChargerは、今乗っているVelocityと性格が似ている。Velocityはとってもやんちゃな板。良くしなるので楽しいのだが、乗りこなすまでに苦労した。ちょっとでも後傾になるとテールがキュイーンとハジけて、板においていかれる。コブの窪みに板が入り込んだ時などは、弓なりにビュンとしなるので楽しいけれど、最初はそれ故に恐かった。反対に言うとVelocityが僕を上達させてくれたともいえる。
さて、Chargerも、ショート・ターン向きで、同じようなハジける感じがある。しかし強度が増し、Velocityよりもだいぶやんちゃ度が低くなった。加えて、高速での安定度がかなり増した。カーヴィングを試すと、今の板よりもずっと走るので、実に爽快である。これに乗った直後は、よし、買うぞ!と決めたんだけど・・・・。

2) しかし、Chargerの上位機であるSpeed Chargerに乗った時、僕は、もしかしたら、これこそこれからの自分が必要としている板ではないだろうかと直感的に思った。メタルが内部に入っているこの板は、手に持つとズシリと重い。だからVelocityやChargerのやんちゃな感じはもう全くなく、むしろオ・ト・ナの味がする。
 板は重量的に重いが、実際に滑ってみると操作性における重さは全く感じない。それはむしろ安定感に影響していて、雪面にピタッと貼りつくような感覚がターンのクォリティを上げてくれる。これに精通することが、自分自身のさらなる進歩を導き出してくれるのではないか、と確信に近い想いを抱いた。
 同時に、それは、とりもなおさず、僕が一体スキーに何を望むのか、という根本的問題を投げかけている。僕は確かにコブに魅せられ、コブを滑りたいと思ってこれまでやってきたが、ニセコに行ってからはむしろ、コブも含むところの全てのコンディションのゲレンデをボーダーレスで滑りたいという想いがどんどん強くなってきているのだ。
 それに、60歳を過ぎているので、まさか今からモーグル選手になるわけもなし、上村愛子のようなスピードで滑る必要もないだろう。

3) Speed Chargerに乗ってからモーグル専用機244に乗ったら笑ってしまった。まるでおもちゃに感じる。車で言ったら軽自動車だね。とにかく軽い。だからショート・ターンがコロコロといともたやすく出来る。
 これでわざとロング・ターンをしてみた。勿論出来なくはない。でもこれ以上スピードを出したら、きっとプルプルして不安定になるだろう。というか、あまりスピードを出そうという欲望が湧かない。
 原付で、
「イエイ!海辺の高速道路をぶっ飛ばせ!」
と言ってみたところでサマにならないだろう。だから、そもそも高速で滑る欲望が湧かない板だ。
 この板に乗ったら、コブだけ滑ると割り切ることだな。一台だけ持ってゲレンデに行って一日滑るのは退屈かも知れない。
 以前、角皆君に、
「ねえ、コブを滑るんじゃ、244を持っていた方がいいのかなあ?」
と訊いたら、
「つまんないからやめな」
と言われた。その時は、モーグル・スキーヤーの彼なのに、なんでそう言うのかな、と思ったけれど、その理由がよく分かった。でも、今日はこの板で実際のコブに行ってないので、次に白馬に来た時に、また角皆君にこの板を借りてコブを滑ってみよう。きっとコブでは素晴らしい滑りが出来ると思われる。

4) スピットファイアーというと思い出すのは、子どもの頃よく作ったプラモデル。イギリスの優秀な戦闘機で、零戦やグラマンとは違って、機体の先端が細くなっている。同じようなフォームのドイツのメッサーシュミットと共に好んで作ったから、これから乗る板にSpitfireと書いてあったのを見て心が躍った。角皆君の話では、K2史上でも最高の板だったが、あまりに経費がかかるため、製造をやめてしまって、現在では市場に全く出回っていない幻の板だそうである。
 レーシング専用の板に乗るのは初めてだ。きっと板が走り過ぎて恐い思いをするのでないかと恐る恐る滑り始めた。しかし・・・乗り心地は、想像したのとは正反対であり・・・滑り終わってから納得した。
 僕は思い出した。昔、ベルリン留学中に、ドイツ人の知り合いにベンツに乗せてもらって、アウトバーン(高速道路)を時速200キロくらいですっ飛ばしたことを・・・。日本車で言えば時速100キロくらいの感覚。とにかく安定している。それと同じ。いくらでもスピードが出せる感じ。スピットファイアーも全く同じ感覚で、高速で滑走してもビクともしない。
 しかもショート・ターンも何の不自由もなく出来る。もちろん244のようには軽くはないけれど、ベンツで日本の住宅街を走っていたら、ドイツのアウトバーンを走るようにはその性能を充分に引き出しているとはいえないけれど、きちんと当たり前に走れるだろう。それと一緒。

5) さて、もうこれで乗り尽くしたと思ったが、最後に角皆君が僕に与えたのは、ジャイアント・スラローム(大回転)用のスーパー・レーシングカー。サイドカットの半径がとても長い。
「三澤君、このElite GSは、本当に最高の板なのだけれど、80年代の板に近くって、切り替えの時にきちんと新しい外足に乗れないと、ターンしてくれないからね。それに重心の位置に気をつけないと危ないからね」
と、さんざ脅かされたので、僕とするとウエイト・シフト(重心移動)に最大限の注意を払って、最初はおっかなびっくり滑り始めたが、スピードを出せば出すほど圧倒的な安定感を示すので、気が付いたら結構スピードが出ていた。でも全然恐くない。
 そしたら角皆君が下で待っていて、
「三澤君、今のが一番良いフォームだったよ」
と言うではないか。
 昨日の片足レッスンでウエイト・シフトの練習をやっていて良かった。しかし・・・ヤバイことが起こってしまった。それは・・・僕って意外とレーシングにハマってしまうかも知れない。
「ねえねえ、もし僕がChargerではなくSpeed Chargerの方を欲しいと言ったら、どう思う?」
と僕は全て乗ってから角皆君に言う。彼は、
「全然反対しないよ」
と言い、
「今、スキー板の主流は、メタルが内部に入っているものなんだ。VelocityやChargerは入っていないので、コブに適しているし、負担感が少ないといわれるけれど、乗ってみた三澤君が、自分から乗りたいと思うんだったら、逆にSpeed Chargerを薦めたいくらいだ」
それから少し考えて、
「今度ねえ、試乗会があって、ターボ・チャージャー(Turbo Charger)というのに乗ってみるんだ。乗ってから報告するよ。もしかしたら、それもいいかも知れない。それから決めてもいいんじゃない?」
「分かった」
ということで、買い換える板の決定は持ち越されたのである。なんだかいろいろが楽しみになってきたよ。

妻とツーリング
 今回の大収穫は、とうとう妻がスキーを始めたこと。雨混じりの雪の中、21日の午後に、妻は美穂さんの個人レッスンを受けた。僕は、午前中に角皆君のレッスンを受けた後、午後はまた上のアルプス平からHakuba47ゲレンデまで行って滑っていたが、最後の方に下のとおみゲレンデに戻って来た。すると、まだレッスンをやっている。
 もちろんまだボーゲンだが、思ったより安定して滑っている。美穂さんの教え方が良いんだな。レッスンを終わってから聞いてみたら、妻は面白いと言った。しめた!最初は、一日目だけで充分と言っていた彼女であるが、誘ったら、次の日も滑りたいと言い出した。


妻とふたりで


 妻が滑るということになると、誰かが杏樹を見ないといけなくなる。つまり全員がいっぺんに滑ることはあり得ないので、逆に言うと、もし杏奈が杏樹の面倒を見るならば、妻は杏奈のスキー板と靴とリフト券を使って滑れるのだ。つまり、いずれにしても妻のためには一銭もかからないわけ。
 22日、午前中に僕は試乗会をしていたので、午後に妻と一緒に滑った。僕がコーチのまねごとをして、彼女がターン出来るように導いた。なかなかいい感じだったよ。それから、妻はエスカル・プラザに帰り、僕はゴンドラに乗って、残りの1時間ばかり、再びアルプス平に行って滑って、今回の白馬スキー旅行は終わりとなった。しかし、その後エスカル・プラザに戻ってみたら、大変なことが起こっていた・・・いや、まあ、たいしたことではないんだけどね。

 でも、僕はもう、今朝からずっと集中して書き続けているので、もう書き疲れて目がショボショボ。それにお昼近くなってきたので、食事して「オテッロ」の立ち稽古に行かなければならない。残念ながらこの続きは来週に回そうと思う。
また、角皆君の紹介で、高崎高校の後輩の画家である山下康一君に会ったことなど、まだ書き足りないことがある。それも来週に回すよ。
ヤベエ、試乗記に時間をかけ過ぎた。

それではみなさん、来週号も楽しみにして下さい!


画家の山下君を囲んで




Cafe MDR HOME

© HIROFUMI MISAWA