Bキャンプは早い者勝ち
「マエストロ、私をスキーに連れてって2019」キャンプは、今シーズン、定員を設けないで、どのレベルでもOKとした。それを受けて、何人もの人達から、
「今年こそは受けますよ」
というお返事をいただいているが、その一方で、昨年のように焦って応募する必要がないのでみなさん安心している。だから、実際に申し込み手続きを終了した人は、口コミの半数に満たない。
その中で、すでに申し込みしてきた方達の大半は、3月2日土曜日及び3日日曜日のBキャンプに集中している。土日ということもあり、働いている人には来易いのであろう。そこでみなさんに言っておきますが、Bキャンプに参加したいと思っていて、まだ申し込んでいない人は、急いだ方がいいです。
何故なら、キャンプ自体には定員がないのだけれど、ペンション・カーサビアンカには14部屋しかないので、ここが満室になったら、他の宿に泊まっていただくことになります。加えて、これまで申し込んでくださった方達の多くがひとり使用を望んでいるので、もうあまり部屋がないのです。
勿論、カーサビアンカが駄目でも、近くには沢山ペンションがあるので、泊まるのには不自由はしない。でも、みんなで同じ宿というのは特別で合宿みたいなのだ。懇親会だけでなく朝食も一緒だったりするし、ホールで自由にお話も出来る。音楽関係とひとことで言っても、昨年もいろんな方面の人が来て実に面白かった。今年も皆さん同士できっと様々な出遭いがあると思う。だから出来ればお薦めしたいのだ。
なので、繰り返しになるけれど、カーサビアンカに泊まりたい方は、Bキャンプの場合はすぐに申し込んだ方がいいです。宿の方は、満室になった時点で、他の宿の斡旋の通知をします。なお、これまで申し込んだ方は、全員カーサビアンカ希望だったので、全て自動的にカーサビアンカ宿泊が決定しています。
さらに加えて・・・ご存じの方はいるだろうが、B合宿2日目の3月3日は、なんと僕の誕生日なのだ。だから、2日の夜の懇親会は、ほぼ必然的に僕の誕生パーティーを兼ねることになる。これを言ってしまうと、ますますここに集中するね。
一方、2月のAキャンプにもそれなりの申し込みがあり。いずれにしても、このホームページで、このような記事を出したら、みなさん申し込みし始めるだろうから、Aキャンプもやや急いだ方がいい。
Cキャンプは、参加しますと言っている人は何人もいるけれど、実際の申し込みはまだまだこれから。3月の終わりなので、春スキーとなり、ややシーズンをはずれるので、逆に、今ならゆったりとひとり部屋を取れる。こちらも是非、お早めに申し込みを。
キャンセルは出来るので、来られる可能性が10パーセントだけとかいったら、まあ、ちょっと困るけれど、「恐らく行ける」くらいだったら、とりあえず申し込んでいいですよ。
必ずホームページの「マエストロ、私をスキーに連れてって2019キャンプ」の申し込み要項のページを開いて、詳細を読んでから申し込んでください。申し込み要項の最後にある「入力フォーム」から申し込むのが一般的だけれど、自分で記入事項をチェックして、下記のメールアドレスに直接送ってくれてもいいです。ただし、必要なことをきちんと書いていない場合は、こちらから質問し、答えを返信してもらってから正式申し込み受理とします。
maestro.takemeskiing2019@gmail.com
「バッハまでの道のりとバッハから」無事終了
パレストリーナを京都で勉強していると、いつもi-Podを聴きながら寝てしまった。それで悟った。この曲は、このように人を瞑想的にさせる音楽なのだ。だから、僕もヘタに暗譜をして、本番、アドレナリンを出しながら指揮するのはやめよう、と決心した。勿論、曲は頭に入っているが、あえて譜面を前に置き、合唱団にもアクティブになりすぎないように周到に導きながら練習をつけ、本番を迎えた。
指揮していながら、やはり寝てしまいそうなほど瞑想的になっている自分がいた。いや、寝てませんよ。でも、とっても気持ちよかった。最後のAgnus Deiでは、寄せては返す波のように、同じ旋律がいろんなパートから重なり合って聞こえてくる。それを味わいながら、
「ああ、このままずっとこの世界に浸っていたい」
と思い、曲が終わるのを惜しむ自分がいた。そして、パレストリーナはこのように演奏するのが理想だという確信を得た。
続くハインリッヒ・シュッツのドイツ・マニフィカトでは一変して、ドイツ語のイケイケともいえるアクティブな楽想に、聴衆も、
「ああ、これだけ違うのか」
と驚いたと思う。
シュッツは2度に渡ってヴェネツィアに留学し、ジョヴァンニ・ガブリエリやクラウディオ・モンティヴェルディに師事していて、8声の二重合唱などイタリアの手法を学び尽くしてはいるが、やはりドイツ人の手にかかると、こうまでドイツ的になってしまうのかという見本である。
ブルックナーは、後期ロマン派の真っ只中にあって、ひたすら内省的な作風を持つ孤高の天才。モテットでも、聖フローリアン修道院の聖堂に響き渡るオルガンの残響が原体験になっているせいか、随所で突然の休止とゲネラルパウゼ(全休止)の効果が光る。
第二部に入って、プーランクの「悔悟節のための四つのモテット」は、僕の大好きな曲。近代和声の随所の不協和音は歌うのにとても難しいが、僕は、もしバッハがこの時代に生きていたら、こんな和音を使ったのではないの?と思ってしまう。「ガキ大将と聖職者が同居している」と言われるプーランクの音楽であるが、ここでは彼のまっすぐ神へと向かう真摯な態度が見られ、胸を打つ。
そしていよいよプログラムの最後はバッハのJesu, meine Freudeである。やっぱり東京バロック・スコラーズはバッハだね、と言われるように演奏会全体を構成したが、それにみんな見事に答えてくれたよね。
僕がバッハが大好きなのはもちろんだが、こうやっていろんな作曲家を並べてみると、やっぱり、この世にいろんな作曲家がいるって素晴らしいことだね。みんないい!そして、みんな着ているお洋服は違うし、生き方も違うけれど、みんなどこかでつながっているんだ。
東京バロック・スコラーズのみなさん!ありがとう!よく頑張ったね。ブルーローズという会場の響きにも助けられ、美しいハーモニーとなってお客様の心にも届いたと思う。
さて、これを次につないでいくんだ。バッハをやりながらでもパレストリーナの静謐な世界が生きていないといけないし、ブルックナーの間を感じないといけないし、プーランクでシビアに音程を取っていったように、バッハでぶつかる音程に対しても耳を研ぎ澄まさないといけないし・・・・。要するに、
「全ての時代の全ての美意識をバッハが取り入れ、あるいは先取りしている」
という事を、今度は理屈ではなく、どのバッハの作品でも体感し、具体的に表現していかないといけないのだ。
差し当たっては、ルーテル教会での「クリスマス・オラトリオ」演奏会でチャレンジだ!
分かったあ?みんな!
京都そして飛鳥
毎年この次期に残念に思うのは、京都の滞在が、これから紅葉真っ盛りの季節になるという時に終わってしまうことだ。特に、あの輝くほど透き通った赤いもみじの葉を、今年は見ることが出来なかった。あれは京都独特のものだなあ。去年は銀閣寺などでちらほらと見ることが出来たのに、今年はまだ充分に紅葉していなかった。例年よりも暖かいのだろう。
京都の思い出は、今年はかなり限られている。東京バロック・スコラーズの演奏会を控えてとても内面的に過ごしたから。ロームシアターが平安神宮の一角にあるので、平安神宮にご挨拶に行ったが、その他に名所旧跡を訪ねたのは、休日である30日火曜日だけ。しかも京都ではなく奈良方面。
30日の朝、お散歩はパスして6時半過ぎにホテルを出る。コメダではなく京都駅構内の星乃珈琲店でゆったりと朝食。それから7時40分発橿原神宮(かしはら じんぐう)行き特急列車に乗った。9時頃に飛鳥駅に着く。
駅前でレンタサイクルを借りる。一昨年、
「普通の自転車は900円、電動アシストは1500円ですが、どちらがいいですか?」
と聞かれて、即座に、
「ふ・・・電動アシストなんて軟弱な」
と思って普通の自転車を借りたが、乗り始めてすぐに結構急な上り坂となり、しかもしばらく続いた。それで今年は迷いなく電動アシストにした。
乗り始めてすぐ、
「なんだ、案外重いな」
と思ってよく見たら、スイッチを付けていないことに気が付いた。それですぐ付けたら・・・ビューン!と一気に加速したのでびっくりした。な、な、なんだ、これは・・・危ないじゃないか!
高松塚古墳を右に見て丘をひとつ越えた後、左前に見える小高い丘の上に何か曰くありそうな古墳のようなものが見えてきたので、ちょっと登ってみた。天武天皇と持統天皇の共同のお墓だそうである。天武天皇は、672年、壬申の乱に勝利し、律令制の基礎を築いた人として知られる。持統天皇は、実は天武天皇の皇后だが、天武天皇の後、次の天皇となったという。
緩やかな石の階段を登っていったら、右側からスルスルと音が聞こえたので見ると、ヘビが逃げていった。おっとっとっと・・・ヤだな。帰り道、上から見下ろすと、絶景というようなことは全然ないけれど、なんともいえないのどかな明日香村の風景に触れて妙に感動し、しばし佇んでしまった。
飛鳥の何気ない風景
石舞台内部
石舞台
岡寺
甘樫丘から飛鳥寺近辺の風景
橿原神宮
大和郡山城跡