散歩と祈りで始まる一日
秋は一歩一歩進んでいるものの、晴れた良い天気の日が続いている。最近の僕のお散歩ブームは、日野橋~石田大橋コース。孫の杏樹の通っている東京賢治シュタイナー学校が立川の多摩川沿いにあるため、すぐ近くの駐車場まで母親の志保かおばあちゃんの妻が車で送っていくが、僕も一緒に乗り込み、駐車場で杏樹達と別れ、ひとりで自宅までを散歩コースとする。
そのコースにはいくつかのルートがある。大抵は谷保天満宮にお参りして帰ってくるルートを選ぶが、一度ためしに日野橋を渡って向こう側に行こうとしたら、左右に広がる多摩川と、右側に見えるモノレール、前方にそびえる富士山を中心とした山々、左前には、高幡不動の五重塔の金色の先端とその裏山など、雄大な景色が広がっているのに圧倒された。
今朝もそのルートで帰ってきた。日野側を回ってくるので、ちょっと遠いのだけれどね。川を渡り終わると、左折して、土手の上をずっと歩く。すると反対岸の野球場などの景色がまた気持ち良い。こうした広々とした風景の中を散歩していくと、それだけで自分の精神が癒やされ、スピリチュアルな波動が上がっていくのを感じる。
そして石田大橋に辿り着く。この橋の上からの眺めも素晴らしい。高幡不動の五重塔は、その全貌を輝かせているし、あたりの山々を従えている富士山があまりに荘厳なので、橋の真ん中で振り返って手を合わせながら、富士山を拝んだ。何?偶像崇拝だって?ふん、構やしない。大事なのは何かを拝む心だ。崇高さや荘厳さを感じる心だ。それに、きつねを拝むよりずっとマシだろ。
こうして今朝も、壮大な天然ピラミッドである富士山を拝んで、散歩から帰ってきて、この原稿を書いている。心は満たされ、散歩と祈りでこの一日を始めるのを許されたこの健康を感謝している。
教会で七五三
昨日、すなわち11月15日。孫の杏樹の七五三のお祝いをカトリック立川教会で行った。本当のことを言うと、杏樹はまだ6歳。11月28日にやっと7歳になるのだが、やっぱり小学校1年生に無事なれたことと一緒に七五三を祝いたいじゃないですか。
そこでまず2週間前の11月2日月曜日に、その日のために用意した赤い着物を着て、メイクアップ・アーティストの次女杏奈がヘアメイクをしてくれて、家族みんなで立川教会に行って聖堂でお祈りをし、写真撮影した。
杏樹の七五三11月2日
杏樹の七五三11月15日
Rinascerò,rinasceraiやっと動画に
4月初め、コロナ禍で意気消沈していた僕を、ひとつの動画が慰め、勇気を与えてくれた。それはRoby Facchinetti作曲のRinascerò,rinascrai(僕は甦る、君も甦る)という曲のYoutube映像。この恩は一生忘れないと思う。
それは、僕の周りから次々と仕事がなくなっていき、経済的にも大きな不安に陥っていただけでなく、そもそも僕たちがこんなに一生懸命やってきた音楽というものが、もしかしたら要らないんじゃない?と周りからも思われ、自分もそんな風に思い込んでしまうという精神的クライシスの状態にあった時であった。そんな僕をこの動画が救ってくれたのである。
僕はすぐにこの曲を耳コピーで採譜し、まずピアノ伴奏のソロ曲に編曲し、それから混声合唱用に編曲した。そしてその使用許可を作曲家であるRoby Facchinetti氏にお願いし、心温まるお返事をいただいた。さらに、自分が再び音楽活動を開始出来た暁には、真っ先にこの曲を演奏しようと心に決めていた。
しかしながら、なかなかその時は来なかった。大勢の人たちが集まって同時に飛沫を飛ばす合唱は、その存在自体が疎まれ、未だに活動を再開出来ていない団体が少なくない。
そうした中で、早くから練習のZoomリアルタイム配信も取り入れながら活動を続けている東京バロック・スコラーズの協力があって、やっとこの曲を演奏することが出来たのである。
演奏は、3台のカメラで撮影され、それを僕が編集してYoutubeにアップした。そして、僕はRoby Facchinetti氏にそれを送った。ああ、やっと約束が果たせたのだ!映像に日本の画像をちりばめたのは、外国人達がこれを観るであろうことを考慮に入れてのことである。どうか、みなさんもご覧ください。
いろいろな行事
アルマゲドンの夢とPCR検査
先週は、新国立劇場での練習は「アルマゲドンの夢」が舞台稽古に入っているため、担当していない僕はオフ日が続いたが、いろんな意味で、なかなかエキサイティングな週であった。
11月10日火曜日は、PCR検査のために新国立劇場に行き、そのついでに「アルマゲドンの夢」の舞台稽古を観た。藤倉大さんの音楽は、そんなに大きくはない2管編成のオーケストラながら、とても隅々にまで気が行き届いていて色彩的であり、美しい個所も多い。合唱のオスティナート的処理も秀逸。
舞台は、巨大なミラーに様々な映像が映し出され、視覚的効果が際立っている。戦争のシーンなどがあるが、不思議だなあ・・・過去の映像でもないし、近未来でもない・・・コロナ禍にあって、考えが変わったんだろうか?
人類って、まだこんな戦争なんて野蛮なことをしているのか、と、滑稽ささえ覚えた。いやいや、ISなんかでは、未だこういうのが現実なのだけれど・・・・。冨平恭平君率いる新国立劇場合唱団は、いつものように大健闘。みんな、
「難しくて大変です、大変です!」
とは言っているが、きちんとやることはやっている。頼もしい限りである。
PCR検査は、「こうもり」のプロジェクトのためだが、僕も含めて今回も全員が陰性であった。まあ、ホッとはするのだが、それは10日の時点で陰性だというだけで、もう今頃陽性かもわからないし、やればやるほど釈然としない気持ち。
紅美さんのZoomレッスン
11月12日木曜日は午後8時から、角皆優人君の主催するF-StyleのZoomレッスンに妻共々参加した。その晩は、長女の志保が仕事で外出中だったので、杏樹をそれまでに寝かしつけるのに苦労した。お風呂に5時に入り、6時には夕食。6時半過ぎには僕がお布団に連れて行き、絵本を2冊も読んでやって、優しく眠りに誘った。そうしたらまんまと7時半に寝てくれた。
今回の講師は、僕や角皆君と同じ群馬県立高崎高校の後輩である画家の山下康一君の奥さんの山下紅美さん。彼女はヒーラー及びチャネラーであって、今回の演題は「コロナ・ウイルスと宇宙」というもので、どんな受講者がいるのかなと思ったら、なんと武術家の遠山知秀さんや、パワーリフティングの沖浦克治さん、それにスキーの佐藤智子さんなどが参加しているではないの。それに、やっぱりスピリチュアルなことを職業にしている人たちも加わっていて、それだけでとってもエキサイティング。
紅美さんが、本題の話を始める前に、なんとなくみんなで参加者の自己紹介ということになった。そうしたらいきなり遠山さんがこんなことを言い出した。
「三澤さんは、ブログを読むと、これまで宗教的なことに興味が集中していたので、宇宙人とか無関心だったとおっしゃっていましたよね。それがバシャールで考えが変わったと・・・実は、私は宇宙人とはとっても関わりがあるのです。というよりか、宇宙人にさらわれたことがあるのです」
ええっ?という感じで、マジ固まりました。それに、その後の紅美さんの話でも、バシャールが言っていた「第3密度」とかいうことが語られていたり、波動について語られていたりして、そもそもこのZoomレッスンに参加したこと自体が、シンクロニシティ(共時性)なんじゃないか、と思われてならなかった。
この地球は、現在大きな転換期にあるといわれる。ひとことで言うと、融和、統合に向かっていて、もう1段階高い波動の世界に移行する時代である。コロナも、そこに人類を気付かせるための必然として起きている。それなので、この時代に生まれ落ちた我々すべての人間は、この超エキサイティングな地球のアセンションの祭典を味わおうと、了解し、覚悟して生まれてきているという。
いやはや、僕の周りでは、僕が望もうが望むまいが(まあ望んでないはずはないのであるが)、このシンクロニシティの流れが止まらない。
「音楽と宗教」Zoom講座
さて、11月15日日曜日は、午前中の七五三のお祝いの後、家に帰ってきて、二期会・英語の歌研究会から依頼されたZoomによる「音楽と宗教」の講演を行った。14時から17時までという、ガチなスケジュールでの勉強会だったので、こちらもそのつもりで準備を進めてきたが、受講生達はみんな熱心で、話している僕自身も、とても充実感を覚えた。
事前に主催者からは、こんな注文が出ていた。
「ヨーロッパなどに留学すると、周りの人たちから、どうして日本人がキリスト教者でもないのに、こうした音楽をやるのですか?とかよく言われるのです。キリスト教者ではないと、西洋音楽は分からないのか?とか、特に宗教音楽をやる時には、どんなことに気をつけたら良いのか、とか、あるいは西洋人がみんな知っているキリスト教の常識とか知りたいので、その辺に配慮してお話ししていただけますか?」
そこで、まずキリスト教とは何かということを、歴史を振り返ってアウトラインを話し、次にミサを中心とする礼拝の意味を話し、最後に、宗教曲を演奏する際に気をつけるべきいくつかのポイントについて話した。
たとえばAve verum corpusはクリスマスに歌ってはいけませんか?という質問が来たので、
「これは真逆の内容です。まあ、バッハなどは、クリスマス・オラトリオで受難コラールをわざと扱っていますが、基本的には、『十字架に掛かったイエスの脇腹から血と水がしたたり落ちた』などという歌詞を持つこの曲は、クリスマスや結婚式にはふさわしくありません」
と答えた。
また、プロテスタント教会では、マリアについては、素晴らしい信仰を持つ「普通の人間」という認識で、いたずらに神格化していないので、基本的にAve Mariaは演奏しません、と述べた。
こうしたことは、本当は、その人の信仰心そのものとは関係ない、外側のことだと僕は認識しているが、それでも、
「何も知らないくせに、西洋音楽をやっている」
などと意地悪に見る西洋人がいることは僕も知っている。
僕の場合は、
「自分はカトリック信者だから」
というだけで、もうみんな黙ってしまうので、そんなこと自体が、ある種の差別じゃないとも思う。ともあれ、いろいろなことを知識として知っていることは悪いことではない。
後半では、宗教曲の歌唱法について述べた。その時に、特にバロック音楽においては、近年の、オリジナル楽器の演奏者の台頭や、それに伴う演奏法の研究を無視できないことを告げ、正しい様式感で演奏する必要性について述べた。
さらに、具体的な歌唱法としては、ノンビブラートを常に推奨するということでは決してないが、少なくともビブラートをコントロールするということは強く薦めると言い、音楽の必要に応じて、深くかけたり浅くかけたりできることは、いずれにしても必要だと説いた。
たとえば弦楽器奏者などが差し当たってバロックらしく弾く方法として、弾き始めをノンビブラートで初めて、徐々にかけていくやり方があると述べ、声楽でもそれを試してみることを薦めた。
最初は3時間ももつかなあ、と思っていたが、そんなことを話し、質疑応答に答えている間に、時は瞬く間に過ぎ去って楽しい講演が終わった。みんなも、とても喜んでくれたようで、今はとってもホッとしている。