日本ワーグナー協会の年刊誌に寄稿
日本ワーグナー協会では、1年に1度、夏にワーグナーシュンポシオンという年刊誌を出しているが、今年の分が家に届いた。楽しみなのは、僕が寄稿した記事が載っていること。こんな時期に出るのに、原稿の締め切りが2月末だったので、実は1月後半からいろいろ準備のために忙しかった。そして、原稿を送ってから半年もお預けを食っていたので、ずっと待ちくたびれていたよ。
ワーグナーシュンポシオン表紙
高座結御子神社(たかくらむすびみこじんじゃ)
カトリック信者でありながら、いつの間にか僕は神社オタクになっているようだな。その理由は早朝散歩と結びついている。散歩をしながら僕は、こうして散歩を出来る自分の健康を感謝し、これから始まる1日において、自分が成すべき事を滞りなく行えるようお祈りする。
ところが、この時間には、だいたい教会は開いていない。その点、お寺や神社は元々外でお祈りするものだからいい。それならお寺でもと思うけれど、どうもね、神社の方がはるかに気が良いのだ。
これは最近気が付いたことだけど、お寺はよくお葬式をするじゃない。その反対に、神社はあまりお葬式はしないでむしろ結婚式をするよね。きっとそのせいで、神社にはあまり死霊を感じないで、むしろ幸(さち)を祈る気を感じるのだ。
祈りの文句もまさにそう。
祓い給え 清め給え7月24日日曜日の早朝も、6時前に起きて散歩に出た。今日は10時から愛知祝祭管弦楽団の練習なので、昨晩名古屋に着いて金山駅前のホテルに泊まっている。足は当然のように、熱田神宮に向かう。大津通を南下する。
神(かむ)ながら
守り給え
幸(さきわ)え給え
高座結御子神社
愛知祝祭管弦楽団「トリスタン」中間報告
先日千穐楽を迎えて無事終わった二期会「パルジファル」公演のプログラムの中で、東条碩夫氏が、「わが国の『パルジファル』全曲上演史」という項目の最後の方で、こう書いておれらた。
「アマチュア・オーケストラの愛知万博祝祭管弦楽団(現・愛知祝祭管弦楽団)が、三澤洋史の指揮、佐藤美晴の演出によりセミ・ステージ形式上演で継続しているワーグナー・シリーズ。その初演もやはり『パルジファル』だった。
ただし筆者はこの公演のみ聴けていない。パルジファルを片寄純也、クンドリを清水華澄、グルネマンツを長谷川顯、その他の人々が歌ったはずである。
因みにこのオーケストラの水準は驚異的に高い」
この最後のひとことは、勿論大変名誉なことであり、とても嬉しいのだが、今この時期においては、実に大きなプレッシャーになっている。
今の段階では、まだまだ人にお聴かせできるレベルではなく、本番までにもうひと山もふた山も越えなければならないからだ。でも今回は、8月18日木曜日と19日金曜日の2日間で、木下志津子さんのピアノで全キャストの落ち着いた稽古ができるし、そのまま20日と21日では、オーケストラと一緒の通し稽古及び直し稽古ができる。勿論、本番前日の27日土曜日でもオケ練習はあるが、そこでは歌手にフルボイスを要求するのは酷というものだろう。
さて7月24日日曜日のオーケストラ稽古では、午前中にトリスタン役の小原啓楼さんとイゾルデ役の飯田みち代さん、それにブランゲーネ役の三輪陽子さんで、第1幕を中心に稽古を行い、午後は、そこにメーロト役の神田豊壽さんと、名古屋出身ながら初めて当団に登場するマルケ王役の伊藤貴之さんが加わった。
いやあ、伊藤貴之さんは、先日もコレペティ稽古をしたが、期待をはるかに超える逸材だ。持っている声そのものが幅広く豊かなのは勿論のこと、表現力が素晴らしい。先日僕がいろいろサジェスチョンしたことにただ従うだけでなく、自分の表現として成立させている。
また、小原啓楼さんの発声法は驚異的だと思う。昔から彼のことはよく知っているが、最近また開眼したんだな。決して威圧的ではなく、しなやかで美しく響く声。飯田みち代さんの柔軟な声と合わせて、恐らく僕が望んでいた、「どこにもない『トリスタンとイゾルデ』のサウンド」が8月28日名古屋に響き渡るに違いないと確信している・・・まあ、もうひと山・・・ふた山・・・越えないといけないんですがね・・・団員のみんなも頑張ろうね!
東混と新国立劇場合唱団の合同演奏会
さて、今週末7月31日日曜日には、東京オペラシティのタケミツメモリアル・ホールで、Dream Concertと称した、東京混声合唱団と新国立劇場合唱団との合同演奏会がある。東混の方の指揮はキハラ良尚さんが担当するが、僕が指揮する演目は以下の通り。
バッハ作曲 | モテット Komm,Jesu,komm BWV229 |
モーツァルト作曲 | Ave verum corpus KV618 |
ブラームス作曲 | 「ドイツレクィエム」より 第4曲Wie lieblich sind deine Wohnungen |
マスカーニ作曲 | 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より 「オレンジの香りが」(新国立劇場合唱団のみ) |
ワーグナー作曲 | 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より 1:冒頭のコラール 2:歌合戦前の合唱曲「目覚めよ、朝が近づいている」 3:最終合唱「ドイツのマイスターを敬ってください」 |