「マエストロ・キャンプ」正式募集開始

三澤洋史 

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マエストロ・キャンプ正式募集開始
 「マエストロ・私をスキーに連れてって2025」キャンプを、今度のシーズンもやります。ただ、今回はいろいろスケジュールが詰まっていて、キャンプは1回だけになりました。
 
 本当は3月15日と16日にBキャンプの予定を入れていたけれど、次女杏奈の結婚式の日程とぶつかっていたのが発覚し、できなくなってしまったのだ。“発覚”と人事のように言うけれど、すべて自分が愚かなせいです。

 杏奈は、昨年のクリスマス・イブに我が家に二人でやってきて、
「お嬢さんをください」
という挨拶をして、もうとっくに一緒に住んでいるのだけれど、ご主人となる方が、
「時期が遅くなってもいいから、あらためてきちんと結婚式をやりたい」
という律儀な人なので、杏奈も、式はプロポーズを受けた東京カテドラルでやりたいとか、披露宴はこことか、いろいろこだわっていた。
 それで会場の制約や先方の両親とかを含めて、再三、日程のやり取りをしていたが、僕と長女のスケジュールとがぶつかったりして、なかなか決まらなかった。
「パパ、3月後半の土日どっか空いていない?」
「東京バロック・スコラーズの本番が30日にあって、そのオケ練習などで前の週もだめ」
「ええ?もう日がないね」
「あ、待って!3月15日土曜日だったら、ちょうど全員空いている!
「え?ホント?やった、決まった!」
となった。

 ところがその後、問題発覚した。僕は夏過ぎまで2025年の手帳を買うのをグズグズしていて、飛び込んできた来年の予定については、新国立劇場から配られる“オペラ練習及び公演日程表”の中、あるいは、2024年の手帳の後ろの大雑把な“年間カレンダー”やメモ用のページなどに分散して記入していたのだ。それが、いよいよ9月に入ってしまったので、Amazonでやっと来年の能率手帳を購入し、分散したスケジュールをまとめて記入することができた。
 すると、
「あれっ!ここBキャンプが入っていた!」
と気が付いたのだ。どうも不自然に3日間空いていたはずだ。

 でもねえ・・・次女の結婚式だもんねえ・・・やっと日程が決まったのにまた変えると・・・振り出しにもどっちゃうからねえ・・・他、もうどこも空いてないんだよね・・・ということで、角皆優人君にも謝って1回にしてもらいました。

 一方、今年の年末は、浜松で12月28日及び29日に「メサイア」練習が入っているため、白馬には30日月曜日に行き、翌年1月2日木曜日まで滞在します。12月31には、角皆君のシーズン初めの個人レッスンを午前中だけ受けます。
 このレッスンは、僕のレベルに合わせたものではなく、シーズン初めの基礎的レッスンなのだ。いつもボーゲンから始めて、基本的なスタンスの確認や、ターンの際の重心移動の確認を丁寧に行う。気が向いたら娘達も一緒に行うし、どのレベルの人もOK。
 だから、もし、その時期たまたま(あるいは意図的に)白馬に来て滑る人は、レベルを問わず一緒に受けても良いよ。その場合は、レッスン代の一部をシェアしてくださいね。

 「マエストロ・キャンプ」については、別項から募集要項をご覧の上、応募してください。また12月31日火曜日のシーズン初めレッスンについても、この「マエストロ・キャンプ」のアドレスからメールを送ってくれていいです。もし複数人数が集まったならば、このレッスンを、変則的に“半分キャンプ扱い”にして半日ではなく全日にしてもいいと思ってます。
 そうなった場合、角皆君への負担感は大きくなるだろうから、少し増額してあげよう。いずれにしても各自の負担は本キャンプより全然安いし、誰もいなくても、少なくとも僕は個人レッスンするつもりなので、どうなっても誰も困りません。
 要するに、
「たった1回だけのキャンプに、日程が合わないことで今年のキャンプ自体を見送る方がいたら申し訳ない」
と思っているので、こう言っているだけです。

 アッシジの旅もそうだったけれど、みなさん!僕のワクワクに一緒に乗っかると、必ず良いことがありますよ!僕がワクワクしている時の波動って、元来とても高いんです・・・と自分で言うか・・・でも、現に、スキーをしている時の波動は、ある意味、音楽に関わっているよりも高いと思う。
 スキーにあらためて取り憑かれた2010年くらいの時には、自分でも分からなくて、
「なんで、こんなにワクワクするんだろう。スキーは僕を一体何処に連れていこうとしているのだろう?」
と不思議に思ったが、それからもう十数年経っているんだ。結論は未だ見えない。
 でも、間違いなく言えることがある。僕は来年の3月で70歳となるが、60歳代の間、一度も大病などを患うこともなく、ずっと体が元気でいられて、音楽に対しても、“大成”などという“衰退を誤魔化す言葉”を使う必要もなく、ますますエネルギッシュに取り組んでいられたことに、スキーからの影響が大きく関わっていると思う。

 自分は普段、決して社交的ではない。オペラの練習後、みんなが呑みに行っても、付き合い悪くて、さっさと家に帰って自分の仕事をしたい人なんだ。人付き合いそのものも悪い。それなのに、スキーを通しては、こうしてキャンプをやったり、沢山の人達を引き寄せようとするんだから、本当に不思議だ。

さくらももこの天才性
 長女の志保や次女の杏奈が、小学校の頃、好んで読んでいた「ちびまる子ちゃん」を、今、杏樹(10歳)が引っ張り出してきて読んでいる。で、彼女が学校に行っている間なんかに、僕も寝っ転がって読んでみたら、“面白い”という感想よりも、「凄い!」「天才!」という印象を持って、めちゃめちゃ尊敬してしまった。今は、正座して読んでいる(嘘)。

 その中の第10巻「まる子は盆栽好き」の一部を紹介しよう。まる子は小さい頃から盆栽が好きで、学校帰りに寄ったあるおじいさんの家から小さい盆栽をもらってきた。「今日この頃」に掲載したのはその3ページ目から。


「まる子は盆栽好き」から
「ちびまる子ちゃん」第10巻
(© 集英社 )

 まず、輝いている盆栽が描かれている。お父さんが、半ばあきれて、
「しかし、まる子も変わった趣味だなあ」
と言うと、まる子はその理由を言う。
それを聞いていたおじいちゃんは、
「まる子は子供なのに粋(いき)がわかるんじゃのう」
とコメントすると、まる子が、
「イキ?イキって何?呼吸のこと?」
と訊ねる。それをうまく説明出来なくて焦るおじいちゃん。


「まる子は盆栽好き」から
「ちびまる子ちゃん」第10巻
(© 集英社 )

 次のページをめくると、ダーッと部屋の外に走って行くおじいちゃんが目に入る。火消しの格好をして戻って来て、
「粋ってもんは・・・こういうもんじゃっ」
と説明する。
「俺ってカッコいいだろ」
と悦に入っていると、おばあちゃんに、
「あんた、カンちがいしている江戸っ子じゃよ」
と軽くいなされて・・・風化してしまう。

 この風化の描写が凄いと思っていたら、次の瞬間がもっと凄い。突然神輿(みこし)が出てきて、
「わっしょい、わっしょい!」
だって!
 この展開を見て、
「なんで?」
と思ってしまう人こそ野暮というもの!理屈ではない。これこそ、漫画でないと絶対出来ない表現!さくらももこさんのワールドを味わい給え!

 って、ゆーか、せっかく漫画があるのに、こうやってわざわざ説明する僕も、まったく野暮そのものと言えるのだが、それにしても、これだけの内容を、こんなにリズムのあるタッチで、これだけ面白く盛り上げるのって常人の業ではない!

 「ちびまる子ちゃん」の他の漫画も全て、自分が小学校の時代にありがちだった話題に溢れていて、至る所で笑えるんだけれど、同時にストーリー展開は、基本的に善意と正義感とポジティブ志向に満ちている。
 さらに、さくらももこさんて、「ちいさな宇宙人アミ」に共感して、三部作の表紙の画を喜んで担当してくれたと聞いているので、益々シンパシーを持ってしまう。

 皆さん!「ちびまる子ちゃん」を大人の視点であらためて読んでごらん!驚き、感動するから!

やっぱりそうなるのか・・・総裁選の結果
 総裁選当日9月27日金曜日のお昼頃テレビを見ていたら、靖国神社参拝について各候補者が意見を言っていた。中国に気を遣って「行かない」と言う人が多かった中で、高市早苗さんだけが毅然とした態度で、
「たとえば日本はアメリカと戦争したけれど、私がもし総理になってアメリカに行ったなら、アーリントン墓地とかに訪問して、敵味方ということではなく、それぞれ祖国のために戦った人たちの霊に敬意を表します。靖国神社への参拝についても、韓国や中国が文句を言うでしょうが、侵略戦争とかに関係なく、私は国のために命を捧げた人たちのために祈りを捧げます」
という意見を述べた。
 実に論理明快で媚びを売らないその意見と態度に、僕は、
「ああ、こういう人にこそ総理大臣になって欲しいなあ」
と思った。

 マスコミは、最初、小泉進次郎さんを積極的に取り上げ、「若い力で自民党を改革」という印象を、視聴者になんとか浸透させようとしたが、討論会やインタビューを重ねる間に、見るからに“一夜漬け”で勉強したと思われる「知識や判断力の底の浅さ」が露呈して、とっくに国民は、
「駄目だこりゃ、“若い力で改革”という前に、“若くて未熟”という理由で馬鹿にされ、むしろ金権政治にどっぷり漬かっている年寄り議員達に、意のままに操られてしまうのが目に見えている」
と失望してしまっていた。
それでも、マスコミはずっと偏向報道をやめなかった。

 2020年の新型コロナ・ウィルス感染拡大の頃と連動して、マスコミの偏向報道が目に付き始め、それがどんどん極端化し、今では恥も外聞もなく堂々と“決めつけ”“無視”“誘導”“印象操作”などが行われており、それを誰かが指摘するならば“陰謀論”で片付けようとする。僕なんか、今では“陰謀論”と言われたら、むしろそっちのほうに真実があるのでは?と思うようになった。

 今回の総裁選でも、テレビなどの大手マスコミは、ギリギリまで高市さんの存在に触れず、むしろ意図的に無視していた。ネットでは“高市潰し”と声高に言われていた。さらに、僕が密かに応援していた青山繁晴氏に至っては、テレビの候補者リストに名前さえ出してもらえず、その間に推薦者の引き剥がしが行われ、最初からそんな人いなかったかのように闇から闇に葬り去られてしまった。
 本当は、政治献金をどこからも1円ももらわず、パーティーも一切開かない、完全にクリーンな青山さんのような人でなければ、自由民主党の根本的政治改革なんてできるはずないのだ。青山さんは、まず減税をして経済を立て直してから、全ての改革に着手しようとしていた。これが財務省の逆鱗に触れたと言っている人もいる。

 高市さんに対しては、青山さんのような具体的な減税を打ち出してくれなかったことが、逆に僕には不満だったけれど、そんなことしたら、やっぱり財務省などに睨まれて、9人の候補者にも選ばれなかったに違いない。
 今の時点では“日本経済がきちんと立ち直るまで増税などせず気長に見守る”という高市さんの姿勢は、それだけでも評価に値する。何よりも、他の候補者達がみんな、あたりの顔色を伺いながら発言している中で、確固たる意見を持ち、堂々とそれを打ち出している姿が逞しかった。

 それにしても、最初の候補者全員による開票結果では、石破さんが、(議員票46、総党員算定評108)合計154であったのに対して、高市さんの場合、(議員票72、総党員算定評109)合計181というように、高市さんの方が双方でリードしていたのに、2人だけの決選投票になったら、石破さんが(議員票189都道府県票26)合計215となり、高市さんが(議員票173都道府県票21)合計194となって、逆転した結果が出てしまった。残念! Youtubeなど見ると、「そこが怪しい。その間に何が起こったのか?」などという意見を言う人もいるが、その点に関しては僕にはなんとも言えない。

 はっきりしていることは、これで、自由民主党が金権政治から根本的な改革を遂げる希望は、またまたおあずけになってしまったこと。政治のことに関しては、僕は恥ずかしながら、皆さんと議論を交わすほど詳しくはないのだけれど、“財務省の顔色を伺わないといけなかった”とか、“中国の顔色を伺わずにはいられなかった”とか、“やはりDSに逆らうことはできなかった”とか、いろいろお金に絡む意見を言う人がいる。
 DSに関しては、別に組織があるわけでもなく、全体を仕切る親玉がいるわけでもなく、それぞれが欲でつながっているだけなのであるが、要するに世の中が理念ではなくお金で動いているということなんだね。

 特に石破さんは、9月18日に大阪で9候補揃っての“立ち会い演説会”を行った後、心斎橋の大成閣という高級中華料理店で“決起集会”を開いたという。その際、
「自民党員であれば予約なしで何人来てもタダですよ」
とLINEで呼びかけたそうである。
 これは二つの意味で大きな問題がある。ひとつはこうしたタダで自民党員に食べさせるという買収行為が許されるのか、ということ。もうひとつは石破さんの中国とのつながりの問題。

 ともあれ、落ち着くところに落ち着いたってこと?これでみんな納得しているのですかね?石破茂新総理大臣で、本当にいいんですかね?






今晩はマエストロと飲み会
 今日は、14時から新国立劇場でベッリーニ作曲「夢遊病の女」のゲネプロ(総練習)。その後、指揮者のマウリツィオ・ベニーニを囲んで、音楽スタッフで飲み会をやる。とっても楽しみ!

 僕たちは、先日の「トスカ」以来Tuで呼び合っているけれど、マウリツィオは、僕の作る合唱を最大限に評価してくれて、今回もとても仲良く、一緒に作り上げてここまできた。
 合唱の分量は、あらゆるオペラの中でも最も多い部類に属するのではないかな。みんな暗譜が大変だったが、よく頑張っている。マウリツィオは、とても精妙なピアノを合唱団に要求しているが、その一方で、僕は同時に言葉の明瞭さを彼らに求めていたので、フォルテの音圧もさることながら、ピアノでの表現を是非みなさんに味わって欲しいな。

では、行ってきます!

2024. 9.30



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