アッシジ祝祭合唱団国内演奏会

三澤洋史 

写真 三澤洋史のプロフィール写真

アッシジ祝祭合唱団国内演奏会
 カトリック田園調布教会はいつ行っても素敵だと思う。聖堂に辿り着くまでは登り坂の連続で、足や腰の悪い人や高齢者にはきついだろうと思うが、登り切って聖堂の入り口のバルコニーからあたりの景色を眺めると最高だし、反対に多摩川駅のホームや遠くからは、権威を持ってそびえ立っている姿が壮観だ。


東急東横線・多摩川駅から架線越しに大聖堂を仰ぐ

 ここで、6月8日土曜日午後2時からアッシジ祝祭合唱団の国内演奏会が開かれた。前売り券はなんと完売していて、当日券は一応出したのだが、立ち見は(消防法とかの関係で)禁止ということなので、満員にはなって欲しい一方で、多すぎたらどうしようか・・・せっかく来たお客さんを帰したりしたくないな・・・と、気を揉んだ。結果的には、ほぼ満員だが多すぎず・・・という理想的な状態で演奏会を開催することができた。神に感謝!

 僕の曲は、いろんな意味で、通常の宗教曲からハズれている。まずは、僕の好きなジャズやポップスやラテン音楽などの要素が入っていて、音取りは難しいし、リズムも複雑。それに、宗教曲なのにこんな曲調でいいの?と、熱心な信者さんによっては「ふざけてる!」と怒る日がいるかも知れない楽想もバンバン入っている。
 なので、みんな演奏会を聴いた後で、どう思いながら帰るのだろうかと思っていたが、むしろかなり喜んでくれたようで、特にMissa pro Pace(平和のためのミサ曲)については、「楽しかった!」
と言ってくれた人が多かったのは嬉しかった。


アッシジ祝祭合唱団
カトリック田園調布教会 大聖堂

 残念なのは、この国内演奏会には出られたが、病気などの理由で、本来の目的である「アッシジの聖フランシスコ聖堂での演奏会」に行かれないという人が何人か出たこと。まあ、逆に言うと、その意味でも、この国内演奏会は重要であったといえる。
 加えて、名古屋からの参加者については、この日が初めて東京の団員との顔合わせで、名古屋でMissa pro Pace二管編成オーケストラ・バージョンの練習をしているモーツァルト200合唱団の団員が多いのだが、それ以外の曲は、ほぼぶっつけ本番といってもいい。

 最初は、国内演奏会に出演するのは「アッシジに行くための最低条件」で、出るからには、東京での通常練習に最低1回は出ないといけないんじゃない、という意見もあった。でも、そう言っていると、そもそもアッシジ行きも辞めようかとなってしまう可能性もあるので、僕の方から、とにかく目標はアッシジということにして、国内演奏会に関しては、あんまり邪魔されるのも困るけれど、最低限は口パクでも許して、とにかくこの演奏会で東京のメンバーと作り上げた経験を生かして本番に備えよう、と彼らに告げた。

 まあ、そんなわけだから、ゲネプロでは、サウンドもタイミングも結構バタバタしていたが、本番では彼らも口パクどころか声もきちんと出していたので安心した。

 「僕の作曲した音楽だけで、自分の守護聖人である聖フランシスコの故郷アッシジに彼らを連れて行って聖フランシスコ聖堂で演奏会を行う」という、まるで夢みたいな計画が、実現に向けてひとつのマイルストーンを越えたことは、本当に嬉しい限りである。

ただただ感謝である。


終演後整列


ポストリュード
(写真:アッシジ祝祭合唱団 辻直浩氏提供)


2024.6.10





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