マエストロ・キャンプ再度のご案内

 

三澤洋史 

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マエストロ・キャンプ再度ご案内
 もうすぐスキー・シーズンが始まるのに本当にワクワクしています。2度もコロナに感染した僕が言うのが、果たして説得力があるのかないのか分かりませんが、コロナ禍以前、さほどインフルエンザを恐がらずに冬を過ごしていたあなたは、もう同じように冬を過ごしていいのではないでしょうか。
 インフルエンザは、ヘタをしたら絶滅の危機に瀕しているし、コロナも、もう通常命の危険には至らないです。
 それより、勇気を持って外に踏み出さないと、むしろ精神が病んでしまって、そっちの方が危機的状況下も知れません。

 音楽とスキーとを両方やるあなた!あるいは音楽をやっていて、ちょっと行き詰まっているあなた。スキーをやることで、あなたの音楽の世界は革命的に広がります!

 ひとつの例を挙げましょう。スキーの初心者は、斜面が恐いので、なるべく斜滑降でゲレンデの端から端まで滑って行きます。でも、どうしても一度は斜面を真っ直ぐ降りないと行けないので、なるべくその時間を短くと、クルッと回って反対側になり、また斜滑降で行ったりします。

僕も昔はそうでした。でも、それでは何も見えてきません。

 スキーとはね、そういうものではないんです。むしろ、その一番恐いクルッと回る時間をなるべく長く取って、その半円の部分を楽しむのがスキーの醍醐味であり、それができたら、今度はその半円をつなげて、円にするのが理想的なスキー滑走の姿です。

 それを可能にするためには、徹底的にスピード・コントロールを習得することです。昔のようにハの字だけ教わって、上から、
「ほれっ、あとは勇気だ!」
なんて愚の骨頂はしません。
 約束しますが、どのレベルでも、決して恐がらせるようなことはさせません。むしろブレーキの掛け方を徹底的に習って、どんな時でも落ち着いて滑れる状態になれてこそ、スピードを安心して出せるのですからね。
 F1の選手は、誰よりもブレーキの達人です。0.01秒誤っても命の危険にさらされるからです。だから、全く恐くなくなるまでスピード・コントロールを学んで学んで学び尽くします。

 さて、先ほどの半円の滑走のあり方が、音楽の核の要素とつながってきます。半円はターンですが、このターンのあり方と音楽のフレーズのあり方とが、完全にリンクしているので、ターンを学習することで音楽のフレーズを学習できるし、反対に自分の音楽フレーズのイメージをターンに応用することができるのです。
 たとえば、ターン前半を攻撃的に、後半をゆるやかに、とかプランを立てたり、後半を追い立ててから、次のターンに入っているとか・・・そうそう、ターンとターンの受け継ぎ、すなわちフレーズとフレーズの受け継ぎこそが、音楽家の成熟度を測るバロメーターです。

 レッスンと講演会の両輪で、このポイントを教えるのが「マエストロ・私をスキーに連れてって」キャンプの真に画期的なところであり、音楽家ならば是非一度体験していただきたいのです。
 以前、キャンプに参加した方達にもお知らせします。以前は、そのポイントがまだ徹底していませんでしたので、また御参加くだされば新たな発見があります。

キャンプの日程は以下の通り。

Aキャンプ「休日をフルに使ってガッツリいこうぜキャンプ!」
2023年1月7日土曜日、8日日曜日、9日月曜日(祝日)
内容:
1月7日土曜日

受付:13:30-13:50
第1レッスン:14:00-15-30 「基礎を徹底して確認」(初心者はプレキャンプ)
1月8日日曜日
第2レッスン:10:00-11:30
昼食
第3レッスン:13:00-14:30
ビデオ・ミーティング:14:45-15:30
講演会(参加者必須):19:30  場所:エスカルプラザ内
懇親会?
1月9日月曜日(祝日)
第4レッスン:10:00-11:30
昼食
第5レッスン:13:00-14:30 「五竜を知ろう」(レッスンで習ったことを最終確認しながらの五竜スキー場ツアー)
解散

Bキャンプ「良質の雪の中でじっくりとレベルアップ・キャンプ!」
2023年2月25日土曜日、26日日曜日
内容:
2月25日土曜日

受付:9:30-9:50
第1レッスン:10:00-11:30
昼食
第2レッスン:13:00-14:30
ビデオ・ミーティング14:45-15:30
講演会(参加者必須)19:30 場所:ペンション・カーサビアンカB1
懇親会?
2月26日日曜日
第3レッスン:10:00-11:30
昼食
第4レッスン:13:00-14:30
解散

注:プレ・キャンプ
Bキャンプに限り、プレ・キャンプあり。
Bキャンプに備えて、前日に基礎練習でウォーミング・アップしたい方。全くの初心者や初級者、あるいはしばらくスキーから離れていた方には特にお薦めです。
全てのレベルで参加可。
受付:2月24日金曜日13:30-13:50
プレ・キャンプ・レッスン:14:00-15:30

これ以上の情報(申し込み方法、料金など)は、キャンプ募集要項2023をご覧ください!

コロナ静養の1週間が今日明けた!
 先週は、またまた新型コロナ・ウィルスに感染したので、全てのお仕事をキャンセルしてまるまる1週間お休みした。

 新国立劇場では、11月21日月曜日「タンホイザー」の初心者稽古を中止せざるを得なくなり、22日火曜日から始まった「ドン・ジョヴァンニ」立ち稽古3日分を欠席した。
 23日火曜日は、本来NHK・FMの「ラインの黄金」「ワルキューレ」の録画撮りだったが、これもキャンセルを余儀なくされ、27日日曜日愛知祝祭管弦楽団「ローエングリン」の練習には、元々Zoomレッスン生徒の小山祥太郎君にトレーナーとして行ってもらった。彼は10月から同管弦楽団のトレーナーとなっているのだ。

 26日土曜日の東京バロック・スコラーズの「クリスマス・オラトリオ」録画は、そのまま中止にするしかないか、と思っていたら、本番でオルガンの伴奏をすることになっていた長女の志保が、
「え?なくなっちゃうのは残念だよ。志保が頑張るからなんとかやろうよ」
というので、急遽アシスタントの奥村泰憲さんを呼び出して、指揮してもらい、無事収録することができた。せめて編集は僕が自分の手でしたい。
 
 いろいろ大変だったし、皆さんには迷惑をおかけしてしまって申し訳なかったが、まあ、本当に僕でないとどうにもならない仕事がいくつも立て込んでいた時期から比べると、これでも比較的被害が少ない方である。

 NHKは、本来ならば23日に、もう「ラインの黄金」と「ワルキューレ」の収録が終わっているはずで、原稿は完全に出来上がっていたのだが、結果的に29日火曜日の「ジークフリート」と「神々の黄昏」の方が早くなり、順番が逆になった。
 「ラインの黄金」と「ワルキューレ」の収録は、12月2日の9時半からに変わった。その日は、14時から新国立劇場で「ドン・ジョヴァンニ」舞台稽古があるため、収録がギリギリまでかかった場合、渋谷区神南にあるNHK放送センターからタクシーを飛ばして初台まで行かなければならない。

 20日日曜日から発熱した。自宅に買っておいた抗原検査キットで測ったら、あっけなく陽性と出たので、念のために立川のPCR検査場に行ってPCR検査を受けて、21日月曜日に正式に陽性が決まった。

 あらかじめ、妻がロウソク造りのアトリエに使っている、家から徒歩2分のアパートに、自分の布団を持ち込んでひとりで籠もった。最初の2日間は、おとなしく布団に入って何もしないで寝ていた。熱も37・7度まで上がって、声がガラガラになって、咳が時々むせるように出た。
 昨年同様、この病気は、明らかに自然発生的な風邪やインフルエンザと違って、ある種の悪意のようなものを感じる。ただ、昨年のデルタ株と決定的に違うところは、命の危険を感じないところ。デルタ株は、他のところは元気なのに、ピンポイントで肺を狙ってきた。僕なんか一番軽い方で、喉も気管支も痛くもなんともなかったのに、症状としては“肺炎”だった。

 さて、このオミクロン君、3日目にはほぼ平熱に戻ったが、熱が収まってからも声は依然おかしいし、時々思い出したように出る咳も、なかなか治らない。体調の復帰の仕方に対して、症状の残り方が不自然に長い。
 電話での医師の指示では、11月27日日曜日に様子を見て順調なら、28日月曜日から出勤可能とのこと。こうなると、逆に27日までは、予定真っ白だし、どこにも出れないので、妻のアトリエを根拠地として、かえって落ち着いてノート・パソコンを使ってNHKのスピーチ用書類の準備を進めた。
 ただ、WIFIが飛んでないので、NHKの担当者との書類のやり取りや、情報収集のための大規模なネット・サーフィンなどが出来ない。一日2度ほど自宅へ戻って、玄関からスルリとパソコンのある部屋に入り、作業をしてまたアトリエに戻る、という生活を繰り返していた。

 沢山のドイツ語や英語の公演紹介や批評を読んだ。日常会話では使わない文章に沢山触れたので、少しドイツ語が上達したかな。バイエルン放送協会から送られてきた元のドイツ語放送の幕間では、指揮者や、出演者、演出家などのインタビューがあるので、何度も聴いていたら、聴き取りの能力もだいぶ上がった。
 そうして得た様々な情報を元に、仕上がってきた原稿を読み上げて時間を計り、また削ったりを繰り返して、担当者に送って、寸法などのやり取りしていたが、結構、思ったことをしゃべって良いみたいで、もう最初の録音が明日に迫っているけれど、楽しみで仕方ない。



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