トランプ圧勝と偏向報道~これから地球は

 

三澤洋史 

写真 三澤洋史のプロフィール写真

「連隊の娘」本公演無事終了
ポップで楽しい舞台

 日生劇場主催のNISSAY OPERA 2024、ドニゼッティ作曲「連隊の娘」本公演が無事終了した。イタロ・グラッシさんの舞台美術、武田久美子さんの衣装、伊藤範子さんの振り付け、どれをとってもポップで目の覚めるような舞台に聴衆も驚き魅了されたことと思うが、それらのアイデアは全て演出家の粟國淳さんの頭の中から絞り出されたものだ。
 とにかく立ち稽古の間から、どの瞬間も無駄のない緻密な立ち稽古が淳さんによって行われ、本番になったら、聴衆にとって、まさに一秒たりとも退屈する暇もないアクティブな舞台となった。あらためて彼の才能に熱い賛辞を送りたい。

 「連隊の娘」というタイトル通り、マリーは孤児としてフランス軍第21連隊に拾われ、連隊の兵士全員を父として育つ、という荒唐無稽なストーリーだが、今、世界各地で戦争が起きているこの世の中で、あまりリアルな兵士の姿や戦場の場面を表現するのを好まない淳さんは、このような、原色を使った舞台美術と衣装、巨大な熊のぬいぐるみや気球や、ジグソーパズル的な背景画で彩られた楽しい舞台の中でストーリーを進行させた。

変なロボット・ピアニスト
 さらに、壁を人の形にぶち破ってトニオが登場するとか、熊ちゃんの周りで追いかけっこさせるとか、“建前で行動する人達”には、体の前に“絵に描いたパネルの衣装”を持たせるとか、様々な遊びの精神で舞台が作られていたが、一番驚いたのは、第二幕冒頭でマリーが歌の稽古をするシーンである。
 このプロダクションで稽古ピアニストをしている長女の志保は、立ち稽古が始まるずっと前から、
「パパ、あたしね、ピアニストとして舞台に登場するんだよ」
と言っていたが、立ち稽古が始まるとすぐに、
「あのね、メイドさん役の二人と一緒に踊ることになった」
という。
 このピアニストは、背中に巨大なゼンマイがあるロボットという設定で、すぐネジが切れて、メイドさんにギリギリとネジを巻いてもらう。志保のぎこちないロボット的動きも笑えるが、その後シュルピスとマリーがかつての軍歌調の歌を歌い始めると、なんとメイド二人と一緒に結構激しいダンスを、主役の二人に絡んで踊り始めるのだ。この振り付けが簡単ではなくて、家でも何度も練習していたが、本番を彼女の娘の杏樹も二日間観に来ていて、めちゃめちゃウケていた。


懇親会で主役の3名と
(写真提供:加藤浩子様主催のオペラ鑑賞会
ようこそオペラ!」)

明日から学校公演
 新国立劇場などと違って、本公演が11月9日土曜日Aキャスト、10日日曜日がBキャストと、これだけ作り上げたのにそれぞれ1回ずつなのがもったいないが、この後、これを書いている11日月曜日のオフ日をはさんで、明日から3日間は学校公演があるので、我々関係者はまだ終わってはいない。勿論、こちらが出掛けて行くのではなくて、学生達を日生劇場に呼んで鑑賞してもらう形だ。
 むしろ、この舞台を学生達がどのように受けとめてくれるんだろうと、興味津々だ。これを機会に「オペラって案外楽しいな」と気付いてくれて、明日の聴衆につながってくれたらいいなと思っている「今日この頃」である。

トランプ圧勝と偏向報道~これから地球は
トランプ氏は最初から圧勝だった

 先週の「今日この頃」で、「アメリカ大統領選挙でトランプ氏が圧勝する」と僕が書いたのを、読者のどれだけの方達が信じていただろうか?あるいは、仮にトランプ氏が勝つとしても“接戦の末”と思っていた人が少なくなかったかも知れない。
 もし、そう思っていたとすれば・・・あるいは、それどころかむしろ“カマラ・ハリス氏の勝利”を信じていた方がいたとすれば、皆さんは紛れもなくマスコミの偏向報道の犠牲者である。
 ただ、今回救いがあるとすれば、選挙結果が出た後、この“偏向報道”を指摘する声があちこちから上がったこと。当然といえば当然だ。あまりにもあからさまだったから。

最後まで接戦?
 開票日になって続々と上がってくる開票結果を見れば、トランプ優勢なのは一目瞭然なのに、コメンテイターはまだ「接戦」と言い続けていたり、ハリス氏の負けが分かった時点でも、その正しい原因を追及するどころか、問題をすり替えて、「ガラスの天井が敗れなかった」すなわち“女性候補だったから”という苦しい言い訳をしたり、明らかに中立性を欠いたハリス氏寄りのコメントが、テレビによって執拗に続けられていた。

 批評家の東浩紀氏の11月6日午後2時55分Xへの投降。
「トランプあっさり勝ちそうになってるけど、2016年に引き続いて民主党優勢ばかり報道してきたマスコミ、それを受けてコメントしてきた言論人やジャーナリストは、本格的に自分たちのバイアスを意識し検証しなおしたほうがいいと思う。たんに現実を見ていない」
のちの彼の投稿では、東氏はこう述べている。
「ちなみに、ぼく自身はトランプは支持してません。けれどもトランプが多くの人に支持されたという現実は認めるべきだと思う。それが認められず、大衆はバカで騙されているで片付け、なぜリベラルが負けたかを考えるつもりがないひとは、現実について語る資格はないですよ」

ハリスは大統領の器ではない
 東氏の投稿記事は、勿論我が意を得たりであるが、僕とするとまだ足りない。これは「なぜリベラルが負けたか」とかいう問題ではないのだ。ハリス氏は、そもそも大統領候補に立候補するような器では全然なかったのだ。
 ハリス氏がバイデン大統領の下で副大統領を務めてから、僕の知る限り、彼女は何のプラスの業績も残していない。トランプ元大統領が作っていた、南部のメキシコと接する国境の壁の建設をバイデン大統領が止め、その不法移民の現状把握の責任者にハリス氏を任命したが、彼女は現地の視察にすら行かなかったし、事実上全く何もしなかった。
 また、それ以前に、ハリス氏の下で働いていた職員が次々と辞め、それが92パーセントに達していたということを皆さんはご存じであろうか?みんなあきれて、
「あんたの下で働くなんてこりごりだ!」
と彼女に見切りを付けて、出て行ってしまったということなのだ。

 つまりそれだけで「無能」であることは明らかなのであるが、極めつけは(僕もこのブログで紹介したが)、彼女が行ったいくつかのインタビューであった。それによって、彼女は全く政治の勉強をしておらず、政策も理念も信念も全くない無知な存在なのが明るみに出てしまったのだ。そのインタビューを「今日この頃」でも紹介したので、皆さんもご覧になったかも知れないが、大統領はおろか、普通の人間としてそもそもヤバイというレベルで、こんな人を大統領になんかにしたら、アメリカはおしまいだ、と思ったでしょう。

「バイデン大統領が身を引いたのが遅かったから敗れた」
と負け惜しみのように言っている人もいるが、逆だ。彼女がみんなの目に晒されれば晒されるほど、化けの皮はどんどん剥がれ、もっと人気は落ちていったであろうから、このくらいで良かったのかも知れないのだ。実際に、これらのインタビューの直後から、ハリス氏の支持に翳りが見え始めたのだ。
 それなので、選挙戦の最後の方になると、彼女自身が語るよりも、ビヨンセやレディー・ガガなどを呼んで、彼女たちに語らせるようになったわけだ。

暗殺未遂を受けたトランプ氏
 トランプ氏は3度も暗殺未遂を受けたが、それに対してイーロン・マスクが、
「誰もバイデンやハリスを暗殺しようともしない」
とXに投稿したことに対して、「暴力を煽るような発言」ということで批判が集中していたが、その真意は、
「バイデンやハリスは、所詮操り人形に過ぎないので、代わりはいくらでもいる。だから暗殺者にとっては、自らの命を危険にさらしてまで暗殺するに値しない。けれども、トランプは孤軍奮闘なのだ。彼ひとりに全てが掛かっているのだ」
ということだ。
 だから僕も「今日この頃」で彼の暗殺の可能性を示して、それは現実になった。敵も必死だったのだ。とにかく無事で本当に良かったと思っている。

接戦のはずのない現実
 今回の選挙を振り返って見ると、2016年にトランプ氏が初めてヒラリー・クリントン氏を破って大統領になった時は、538人の選挙人の内、「クリントン232人、トランプ306人」であったのに対して、今回2024年は「ハリス226人、トランプ312人」というから、今回の圧勝ぶりが分かるだろう。
 それに、開票の途中を時々観ていたけれど、接戦というのは普通「ある時はハリスが追い越し、ある時はトランプが追い越す」状態を言うが、僕の知る限り(途中から観たが)、「ハリスがトランプを追い越した瞬間は一度もなかった」ように記憶している。

 客観的に見る限り、全然、接戦でも何でもなかった。なのに、テレビ・コメンテイターたちは不自然にハリス・ファンとなって、ハリス寄りの発言を繰り返していた。その恥も外聞もない報道姿勢は、特に今回はなはだしかった。
 僕は、
「よくこんなバレバレなデタラメを垂れ流しているなあ。観ている人達って、どうなんだろうなあ?みんな翻弄されて気が付かないのかなあ?」
と不思議に思っていた。

テレビは真実?ネットは嘘?
 テレビの嘘は今に始まったことではなかった。まさに2020年、コロナで仕事がなくなって暇になり、インターネットを観るようになったことにより、僕は、既存のメディアの発する嘘の数々に気付くようになり、愕然とした。
 一方、Youtubeやインターネット上の様々なサイトは、誰でも掲載自由なため、“玉石混淆で嘘も多い”というのも事実だ。でも、視聴する側にきちんと物事を見る目さえあれば、正しいことを述べているサイトだけでなく、“削除されること”や、ちょっとオーバーに言えば、身の危険を冒してまでも“勇気を出して真実を語っている真摯なサイト”だって少なくないことに気付くはずだ。
 むしろ「大手メディアが嘘を付くはずはない」と信じきって「テレビしか観ない」という人達の方が、今や問題なのである。大手メディアは、視聴者の無防備な信頼感を逆手に取って“堂々と嘘を流している”のだ。で、ここが一番肝心なのだが、そのメディアを陰から操っている勢力があり、それと、真っ向から戦おうとしているのが、まさにトランプ氏なのである。

 皆さん、僕の言うことを信じて下さい。我が国では“自民党の裏金問題”とか言っているけれど、「そんなの小さい小さい!」・・・とはいいながら、根源ではつながっているのだけどね・・・要するに、巨額のお金を遣って世の中を意のままに動かそうという人達が世の中にいるわけよ。で、困ったことに、その人たちにはモラルというものがないので、何でもアリのわけよ。
 2020年の時にはコロナ禍の混乱もあって、不正選挙というよりは不正開票に成功したし、裁判所もグルになって裁判開始すらしてくれなかったので、あの人気のないバイデンがまんまと大統領になれた。
 ところが今回は、こちら側の備えも万全なので、現に、トランプを絶対に大統領にさせないためには何でもアリの彼らが、またしても不正を仕掛けはしたのだが、前回のようにはいかなかった。それで彼らも必死になってメディアの偏向報道を強要したんだろうな。いやあ、実に分かり易い。だから、あとは皆さんが、自分をしっかり持って瞞されないようにしないといけないんです。

地球の運命の分かれ目
 もうひとつ言うと、ここでトランプ氏が勝ったことには、宇宙全体から見て大きな転換点を迎えたという意味があるのだ。小さな宇宙人アミは言う。

「ある程度の科学の水準に達した、でも、やさしさや善意の欠けた文明は、必ず その科学を自滅させる方に使い出すんだよ」
「ある世界の科学の水準が愛の水準を遙かに上回ってしまった場合、その世界は 自滅してしまうんだよ」
「もしある世界の愛の水準が低ければ、それだけその世界は、多くの人が不幸で、 憎しみや暴力や分裂、戦争などが多く、とても自滅の可能性の高い、きわめて危 険な状態にあるんだよ」

 2016年からのトランプ元大統領の任期時代中は、戦争がどこでも行われなかったという事実があり、さらに再び大統領に返り咲こうとしている段階で、すでにプーチン大統領と連絡を取り、また同時にゼレンスキー大統領とも連絡を取っていることからも、彼がそのことを深く理解していることが分かる。

 逆にバイデン大統領は、彼の任期中ずっとウクライナに武器を送り続けた。イスラエルにも・・・。

 分かります?かつて、ケネディ大統領が暗殺され、そしてベトナム戦争が始まったのだ。その愚挙はもう繰り返されてはならない。

 少々オーバーに聞こえるかもしれないが、地球がアセンションを遂げるか、あるいは破滅の道を辿るかは、実はこのアメリカ大統領選挙に掛かっていたのかも知れないのである。

2024. 11.11



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